法科大学院の学費と奨学金・補助金
学費の目安
法科大学院は少人数制で充実した学習環境を整えているため、全体的に学費が高めです。国立大の場合は、入学金282,000円、年間授業料は804,000円です。私立大は、入学金20万~30万円、授業料80万~140万円に加え、その他の経費10万~50万円などがかかるため、初年度は110万~160万円程度かかります。
参考
給付型の奨学金
ほとんどの大学は、成績優秀者などに給付型の奨学金や学費・入学金の免除を行っています。ただし、一定以上の成績を保てないと翌年からは受給されなくなるので、注意が必要です。
専門実践教育訓練給付金
2年以上社会人として働いた後、退職して法科大学院を目指す場合は、「専門実践教育訓練給付金」という国の補助を受け取れる可能性があります。最大で年間40万円を3年間給付され、返済の必要はありません。失業保険も同時に受け取れる可能性があるので、まずは近くのハローワークに相談してみましょう。
参考
専門実践教育訓練給付金の拡充で あなたのキャリアアップを支援します | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
貸与型の奨学金や教育ローン
日本学生支援機構が、貸与型の奨学金を行っています。貸与型なので返還する必要がありますが、成績優秀な学生には、奨学金の全額または一部が返還免除となる制度があります。
これらの奨学金や政府の補助で賄えない分は、金融機関が扱う教育ローンを利用するのもよいでしょう。低利で借りられ、在学中は返済の必要がないなど、一般のローンに比べ条件が良いだけでなく、奨学金や補助金に比べすぐに資金の準備ができるのが特徴です。
まとめ
法科大学院修了者の司法試験合格率は高くても5~6割であるのに対し、予備試験合格者の司法試験合格率は8割以上のため、近年、法科大学院の質について疑問の声が上がっています。しかし、予備試験合格者はそもそも合格率3.9%の予備試験に合格したよりすぐりの存在です。法学未修者を含む法科大学院が、司法試験で50%以上の合格率を達成できているのは、一つの成果と言えるでしょう。
参考
志願者数・入学者数等の推移(平成16年度~平成31年度)|文部科学省
法科大学院を考える皆さんへ ご存知ですか?法科大学院生に対する様々な支援制度|日本弁護士連合会
『法科大学院全国統一適性試験について(お知らせ)』|公益財団法人日弁連法務研究財団