法科大学院(ロースクール)とは?入試情報と学費・奨学金情報も紹介 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

法科大学院の入試基本情報と難易度

入試内容

法学既修者コースと未修者コースの入学試験の大きな違いは、法律科目の試験があるかどうかです。法律科目の試験に合格すれば、大学法学部の卒業生であるかどうかにかかわらず、「法学既修者」とみなされます。一方で、法学未修者コースは、入試で法律科目の試験が課されません。大学法学部出身者でも、未修者コースを受験することも可能です。実際に、大学法学部出身者が、法学既修者コースの受験と同時に、未修者コースを滑り止めで受ける場合もあります。

法律科目の試験(法学既修者コースのみ)

法学既修者コースの入試では、法律科目の試験が課されます。憲法、行政法、民法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、商法に関する基礎的な知識、理解および法的な思考能力を評価されます。大学法学部卒業者でなくても、この試験に合格すれば、法学既修者コースに進むことができます。

自己推薦書

自己推薦書は、PS(パーソナル・ステートメント)、ステートメント、志望理由書などとも呼ばれ、出願書類の一つとして求められます。学業についての自己評価、学業以外の活動実績、社会人としての活動実績、法曹界を目指す理由、出願する学校を志望する理由などを書きます。募集要綱や既定の用紙の設問を熟読して、設問の意図をよくくみ取って書くようにしましょう。

小論文

主に法学未修者に課されます。法学の知識を問う内容ではなく、自然・社会・文化・人間など幅広い内容から出題されます。課題文を要約した上で、意見を論述するなど、読解力・論理性・構成力・文章表現力などが問われます。

面接

主に法学未修者を対象に、法曹を目指す上での適性を見るために面接が行われます。与えられた課題文を制限時間内に読み、それに対しての見解を質問されたり、出願書類について質問をされたりします。各大学の教育理念や3つのポリシー(アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー)、カリキュラム内容などをよく理解しておきましょう。

外国語能力の証明

TOEICやTOEFLなどの語学力を証明するものは、東京大学や一橋大学など一部の学校を除き、任意での提出を求められます。合格最低ラインなどは設けられておらず、選考材料の一つとされます。

大学の成績書など

大学の成績書や卒業証明書のほか、資格証明書などがあれば提出します。

適性試験は廃止

以前は、法科大学院入学の選考基準として全国統一の適性試験が行われていましたが、2018年以降は実施されていません。

入試日程

法科大学院の入試は、8~9月または11~12月に多く実施されています。一方で、時期を変えて1年に3~4回入試を行っている学校もあります。志望校の入試日程を早めにチェックし、必要書類を準備しましょう。

司法試験合格者数トップ10校の入試倍率

法科大学院の選考は、出願書類と筆記試験や面接の総合的な評価で決まるため、大学入試の偏差値のような統一した基準がありません。しかし、司法試験合格者数や合格率が、法科大学院のレベルの指標にはなるでしょう。

司法試験合格者数 司法試験合格率 入試倍率
1 慶應義塾大法科大学院 152人 50.7% 1.6倍
2 東京大法科大学院 134人 56.3% 1.5倍
3 京都大法科大学院 126人 62.7% 2.4倍
4 中央大法科大学院 109人 28.4% 1.7倍
5 早稲田大法科大学院 106人 42.0% 2.1倍
6 一橋大法科大学院 67人 59.8% 1.6倍
7 大阪大法科大学院 46人 41.1% 1.6倍
8 神戸大法科大学院 44人 33.8% 2.8倍
9 明治大法科大学院 26人 16.0% 4.2倍
10 名古屋大法科大学院 25人 37.3%
北海道大法科大学院 25人 24.0% 3.5倍
予備試験合格者 315人 81.8%

参考

令和元年司法試験法科大学院等別合格者数等|法務省

大学別志願者・入学許可者(2019年度)|慶應義塾大学法科大学院