英検3級のライティング対策!減点されない英作文の「型」を解説 - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

国内最大級の英語資格試験である「実用英語技能検定」略して「英検」。2017年度から英検3級にライティングのテストが導入されました。国際水準相応へと英語力の質を高めるための変更ですが、これまでになかったライティングの問題はどのように答えればよいのでしょうか。当記事では、英検3級の基礎知識をしっかりと踏まえた上で、ライティング試験対策や解答パターンを解説します。また、英検3級の試験対策におすすめの参考書をご紹介します。

英検3級の基礎知識

英検は級によって、問題文の長さや内容・質問レベルの難易度が異なりますが、英検3級の試験は中学卒業程度の英語力を目安に作成されています。2017年度第1回の英検3級から次の4点の変更がありました。

  1. ライティングテストの導入
  2. 語句整序問題の削除
  3. 筆記試験(リーディングとライティング)の時間が10分延長
  4. CSEスコアの基準点の変更

英検3級の試験内容が変更されたということは、合格するための勉強方法も変更する必要があります。そこで、英検3級を合格をするために必要な基礎知識をまず知りましょう。

問題数と解答形式

英検を主催する日本英語検定協会は英検3級の試験問題数を公表しています。これをまとめたのが次の表です。

【英検3級の問題数】

問題(4技能) 問題数 解答形式
1次試験 リーディング(R) 30問 選択肢式
ライティング(W) 1問 記述式
リスニング(L) 30問 選択肢式
2次試験 スピーキング(S) 4問 面接

3級の試験内容|公益財団法人日本英語検定協会 より筆者作成)

他の問題数に比べるとライティング1問しか出題されていません。しかし、解答形式が記述式であるため、語彙や英文法が身についているかを評価されることになります。

配点とCSEスコア

CSEは、「Common Scale for English(英語のための共通尺度)」を略したものです。グローバル化で英語力を国際的スコア尺度で表す必要性が高まり、英検の4技能評価として導入されています。英検3級のCSEスコアと合格点をまとめたのが次の表です。

【英検3級CSEスコア】

問題(4技能) 英検CSEスコア 合格点
1次試験 リーディング(R) 550点 1,103点
ライティング(W) 550点
リスニング(L) 550点
2次試験 スピーキング(S) 550点 353点
合計 2,200点 1,456点

英検CSEスコアでの合否判定方法について|公益財団法人日本英語検定協会 より筆者作成)

世界中で広く利用されている外国語運用能力の指標としてCEFR(セファール)の配点に照会すると、自分の英語力が国際レベルでどの程度かを知ることができるため、英検受験の際は合否判定のみならず、CSEスコアを常に注視しておきましょう。

2016年度以降に改訂されたCSE(2.0)では、4技能が均等にスコア配分されるため、どの技能も偏りなく勉強する必要があります。ここで、ライティングの配点に注目してみましょう。

【ライティングの評価方法】

観点 詳細 評価
内容 課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか 0~4点
構成 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか 0~4点
語彙 課題にふさわしい語彙を正しく使えているか 0~4点
文法 文法的に正しい英文が書けているかどうか 0~4点
合計 0~16点

ライティングテストの採点に関する観点および注意点(3級)|公益財団法人 日本英語検定協会 より筆者作成)

ライティングは各観点を0~4点で評価され、その後CSEスコアに換算されます。そのため、ライティングは出題が「たったの1問」ですが、英検3級の合格点を獲得する上で非常に重要であることが分かります。

理想的な時間配分

英検3級の筆記試験時間は50分で、リスニングテストは25分です。筆記試験を早めに終わらせ、リスニング問題の選択肢をあらかじめ確認する時間を作ることが大切です。そこで、英検3級の1次試験にかける理想の時間配分をまとめてみました。

【英検3級1次試験の時間配分】

問題 理想的な時間配分
リーディング(R) 短文・会話文の適語補充 10分
長文読解 25~30分
ライティング(W) 英作文 10~15分
合計 50分

英検3級のライティングで得点を伸ばすコツ!練習問題で書き方を伝授(2019.2.22)|LangooENGLISHBLOG,【英検一次試験】合格点と時間配分を公開!2019年度最新版!(準1級・2級・準2級・3級・4級・5級)(2019.4.11)|ESLclub より筆者作成)

一般的に、ライティング問題にかけるのに理想の時間は10~15分と言われています。問題に対する苦手意識には個人差があるでしょうが、スコアは均等に配分されているため、苦手問題にばかり解答時間をかけるのは得策ではありません。試験対策勉強のときから、時間配分を意識して練習を積み重ねるといいでしょう。

英検3級のライティング問題概要と解き方

日本語ならば難しくない質問が、言語が英語に変わるだけで、どのように解答したらいいのか分からなくなるのがライティングの壁です。では、ライティング問題で聞かれる内容と、解答するときの注意点を解説します。

ライティング問題で聞かれること

ライティング問題はどのような質問がされるのでしょうか。問題の傾向と解答条件を把握しtおきましょう。

問題傾向

ライティングで聞かれる内容は次の3パターンです。

  1. 家庭や学校などの場面
  2. 電話やアナウンスなどの状況
  3. 学校や家族などの身近な話題

どれも日本語であれば問題なく答えられる質問です。自分の身の回りのことや、自分自身のことを相手に文章で伝える能力を確かめる試験ですので、焦らずに質問内容を把握しましょう。

解答条件の特徴

ライティングの解答条件は次の4つです。

  1. QUESTION(質問)が出題されるので、問いに対する「答え」を書く。
  2. 問いに対する「答え」の理由を2つ書く。
  3. 語数は25~35語と指定されている。
  4. 解答欄内に書く。

上記の解答条件を満たしていない場合は、点数として評価されません。ライティングの評価方法として挙げられている「内容・構成・語彙・文法」の4項目だけでなく、解答形式に注意して書きましょう。

日本英語検定協会のホームページに過去に出題された問題が掲載されています。実際の出題問題を知るためにも、下のリンクをご覧ください。

参考

3級の過去問・対策|公益財団法人日本英語検定協会