文学部は就職に不利じゃない!文学部が有利な業界や資格・コツを紹介 - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

多くの大学に設置され、根強い人気を誇る学部の1つである文学部。その一方で、「文学部は就職に不利!」という声が聞かれることもあります。本当に文学部は就職に不利なのでしょうか? 当記事では文学部が就職に不利と言われる理由や有利な業界、就職活動のコツについてご紹介します。

文学部が就職に不利と言われる理由は?

ほかの学部と同様に、文学部卒も立派な「大卒」の一種です。高学歴と言われるような大学にも文学部は設置されています。それなのになぜ文学部は就職に不利だと言われてしまうのでしょうか?

教員や公務員志望が多いから

文学部が就職に不利であるとされる理由の1つに、教員や公務員職を志望する人が多いという点が挙げられます。

日本の大学や就職活動に詳しいライターの石渡嶺司さんは、文学部の就職について執筆した記事の中で、就職に不利な理由の1つを以下のように説明しています。

文学部の特性として、就職を強く意識しない学生が他学部より多いことが特徴です。就職を強く意識しないとは、小説家志望であったり、世界一周旅行をしたいと考えたり、学生によって様々です。いずれにしても、就職を考えているわけではありません。それから、教員、公務員、学芸員、図書館司書への志望者が多いのも文学部の特徴です。

(引用元:なぜ文学部は就活に弱いと言われるのか |NIKKEI STYLE

学生の卒業後の進路は、決して一般企業へ就職することだけではありません。国家・地方の公務員や、フリーランスなどを志望している人もいるでしょう。

このような傾向は決して文学部に限ったことではありません。教員を志す人は教育学部に、公務員を目指す人は法学部にも多くいます。しかし両学部と比べると、文学部は「この公務員職を志望する人が多い」という傾向がはっきりとしていません。

公務員の職種に就く人がいる分、一般の企業へ就職する人は少なくなります。その結果、文学部の人は一般企業への就職に不利なのではないか? という印象持つ人がいるのかもしれません。

仕事に学問を生かせなそうだから

「文学部で学んでいること」と聞かれたら、どのようなことをイメージするでしょうか? 名前のとおり、著名な文学作品や書物について学んでいる、と思い浮かべる人も多いでしょう。

一方で、経営学部や経済学部はどのようなことを学んでいるイメージがあるでしょうか? 経営学や経済学は、ビジネスに直接関連付けられるようなイメージを持たれやすいのではないでしょうか。

このような印象は、企業の採用担当者にとっても同様である可能性があります。仮に文学部と経営学部の学生を並べたら、経営学部の学生を採用したくなる、という人もいるかもしれません。

実際には、在学中に学ぶカリキュラムは大学によって大きく異なります。文学部であっても英語学習に力を入れている大学もあれば、他学部の授業を履修できる大学もあります。

新卒入社の際には、ほとんどの場合が未経験でのポテンシャル採用です。専攻していた内容がビジネスに直接結びつく必要はないでしょう。しかし、なんとなくビジネス思考を持っていないというイメージを持たれてしまうことから、就職に不利という印象を与えてしまっているのかもしれません。

就職に不利なイメージが昔からあるから

「文学部は就職に不利」というのは、今に広まった話ではありません。石渡さんは就職の際の文学部のイメージについて、同記事で以下のようにも述べています。

1970年代ごろまでは、学部の教育内容と就職先が文系学部も含めて関連性がありました。そのため、文学部の学生が就活で不利だったことは否定できません。学部の教育内容との関連性が薄まった1980年代以降も、「文学部は就職に弱い」と言われ続けてしまっています。

(引用元:なぜ文学部は就活に弱いと言われるのか |NIKKEI STYLE

少し前までは、学部の内容と就職後の職務内容が紐付いているのが一般的でした。現代は、専攻内容と職務内容の関連性はあまり必要のない時代になっています。しかし、そのイメージが払拭しきれていない点が、文学部は就職に不利とされる理由の1つでしょう。