公務員試験の試験内容と合格率
続けて、公務員試験の試験内容と合格率をご紹介します。どちらも、人事院が公表している国家公務員試験のデータと東京都職員採用のデータを参照して解説していきます。
高卒程度の学力は必要
国家公務員一般職試験でも地方公務員試験でも高卒程度の学力は必要です。国家公務員でも地方公務員でも、一次試験と二次試験があります。
国家公務員一般職の一次試験では、「基礎能力試験」「適性試験」「作文試験」、事務区分以外では「基礎能力試験」「専門試験(技術・農業土木・林業)」が行われます。二次試験では「人物試験」があります。
地方公務員の一般的な試験内容は、「教養試験」「適性試験」「作文試験」「面接試験」の4つ。作文試験と面接試験は、二次試験で行われることが多いです。
国家、地方両方の試験で共通する、「基礎能力試験」あるいは「教養試験」は、「一般知識」と「一般知能」の分野から出題されます。一般知識では、高校生で学習する政治や経済、日本史、世界史、地理、国語、数学、物理、生物などが出題範囲です。また、一般知能では生活常識や資料解釈、文章理解などが問われます。
参考
国家公務員採用試験インターネット申込み|人事院
令和元年度(平成31年度)実施 試験・選考情報|東京都職員採用
中卒の公務員試験は狭き門?
中卒者だけのデータはありませんが、国家公務員採用一般試験(高卒者程度)のデータを見てみると、一般職の事務系の合格率は4.8倍です。また、技術系は2.2倍と事務職に比べて技術職の方が倍率が低くなっています。
試験の区分 | 申し込み者数 | 一次試験合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
事務 | 12,871人 | 3,772人 | 2,655人 | 4.8倍 |
技術 | 1,191人 | 682人 | 536人 | 2.2倍 |
(国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)区分別実施状況 平成30年度|人事院 より筆者作成)
また、東京都職員採用では、事務系の合格率が12.8倍、技術系を含めた合計の合格率も8.0倍とどちらも高い倍率です。
試験の区分 | 受験者数 | 一次試験合格者数 | 最終合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
事務 | 1,090人 | 183人 | 85人 | 12.8倍 |
土木 | 125人 | 114人 | 41人 | 3.0倍 |
建築 | 19人 | 11人 | 3人 | 6.3倍 |
機械 | 32人 | 31人 | 16人 | 2.0倍 |
電気 | 44人 | 35人 | 18人 | 2.4倍 |
合計 | 1,310人 | 374人 | 163人 | 8.0倍 |
(試験選考実施状況 平成30年度|東京都職員採用 より筆者作成)
これらのデータから、公務員採用試験は人気があり、受ければ採用される簡単な試験ではないことが分かります。