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子供たちには、高卒で就職できて安定志向の公務員は魅力的に映ることもあるようです。さまざまな職種があり、採用試験の種類によっても給与が異なることが知られている公務員ですが、実際に高卒で就職した場合の給与はどのようになっているのでしょうか。公表されている資料に基づいて比較してみました。
もくじ
高卒と大卒、生涯賃金に差はないって本当?
「高卒公務員と大卒公務員では職種や勤続年数は異なるが、生涯賃金で見ると大きな差はない」という意見を耳にしたことがあるでしょうか。大卒よりも4年早く働き始めなければならないとはいえ、学歴がなくてもきちんと給与が受け取れるというのは魅力的に思えます。
しかし、実際に働いて自立するには、生涯賃金だけでなく毎月の給与の額面も重要です。保護者としては「果たして生活できるだけの給料がもらえるのか?」「高卒だと職種が限定されるが、昇給などで不利な面はないか?」といったところも気になるでしょう。
本記事では国家・都道府県・基礎自治体それぞれの高卒公務員について、初任給とボーナス、昇給の可能性を紹介します。早めに勉強を終えて働き始めるのが良いか、大学に通いながら自分の方向性をじっくり考えるのが良いかは人それぞれです。ゆっくりと検討してみてください。
高卒でなれる公務員については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
参考
【高卒vs大卒公務員】給料・ボーナス・年収・生涯収入を比較しました。 | 次席合格の元県庁職員が伝える地方公務員のなり方とその実態
国家公務員
まずは国家公務員の例を見てみましょう。給与は職種によっても異なりますが、ここでは地方公務員と比較しやすいように「行政一般職」の例を使用します。
初任給
2018年度の高卒国家公務員一般職のモデル初任給は148,600円でした。大卒一般職の初任給は180,600円ですので、月額3万円以上の差があることが分かります。
ちなみに、人事院によると2018年度の高卒一般職の年間給与額は2,436,000円となっています。年間給与額を単純に12で割ると、1ヶ月分の収入は203,000円となります。
参考
給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント(7ページ) | 人事院
ボーナス
年間給与額から月額給与12ヶ月分を引くと652,800円が残ります。諸手当等を含めて考えても、ボーナスは年額で30〜40万円程度は支給されているのではないかと考えられます。
昇給の可能性
国家公務員の給与は「俸給表」と呼ばれるものによって算出されます。俸給表には入職後の年次によって上がっていく「号俸」と昇進など職種によって上がっていく「級」があり、それらを組み合わせて給与が決定されます。
2018年度の俸給表によると、勤続年数が1年増えると月額給与が1,000円程度、昇進により級が上がると4〜5万円程度の昇給が見込めるようです。ただし、高卒の公務員は昇進に時間がかかるとも言われています。大卒と比較すると昇給ペースが遅めになる可能性は覚悟しておいたほうが良さそうです。
参考
俸給表 | 人事院
平成30年人事院勧告 | 人事院
国家公務員の初任給の変遷 | 人事院
国家公務員の諸手当の概要(1/2) | 人事院
国家公務員の初任給を知る[行政職俸給表(一)]|給料.com