警察大学校は寮付きの幹部教育機関。入学するには?学ぶ内容は? - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

警察大学校で学ぶ内容とは

警察大学校は幹部職員それぞれに必要な研修を行う施設なので、目的ごとに在校期間や研修内容が異なります。公表されている研修内容をチェックしてみましょう。

警察法施行規則内の規定

警察大学校の組織の構成については、警察法施行規則を見るとおおよそを把握することができます。

(警務教養部の所掌事務)

第六十八条 警務教養部においては、警察行政一般に必要な法学その他の科学及び警察内部の管理に関する教育訓練をつかさどる。

(生活安全教養部の所掌事務)

第六十九条 生活安全教養部においては、犯罪、事故その他の事案に係る市民生活の安全と平穏、地域警察その他の警ら、犯罪の予防及び保安警察に関する教育訓練をつかさどる。

(刑事教養部の所掌事務)

第七十条 刑事教養部においては、刑事警察(国際的な犯罪捜査及び国際刑事警察機構との連絡を除く。)、犯罪鑑識及び犯罪統計に関する教育訓練をつかさどる。

(組織犯罪対策教養部の所掌事務)

第七十一条 組織犯罪対策教養部においては、国際的な犯罪捜査、国際刑事警察機構との連絡、暴力団対策、薬物及び銃器に関する犯罪の取締り、組織犯罪の取締り(刑事局の所掌に係るものに限る。以下同じ。)、犯罪による収益の移転防止並びに国際捜査共助に関する教育訓練をつかさどる。

(交通教養部の所掌事務)

第七十二条 交通教養部においては、交通警察に関する教育訓練をつかさどる。

(警備教養部の所掌事務)

第七十三条 警備教養部においては、警備警察、警衛、警護及び警備実施(雑踏警備を除く。)に関する教育訓練をつかさどる。

(教官教養部の所掌事務)

第七十四条 教官教養部においては、警察学校の教官の養成及び指導に必要な教育方法その他の専門的な知識及び技術に関する教育訓練をつかさどる。

(術科教養部の所掌事務)

第七十五条 術科教養部においては、柔道、剣道、逮捕術、教練、拳銃操法、体育等の術科に関する教育訓練をつかさどる。

(引用元:警察法施行規則 | 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

「警務教養部」「生活安全教養部」といった「部」に分かれ、それぞれの教育を行っていることが分かります。実際の研修の現場では、さらに以下のような「科」に分かれてカリキュラムが組み立てられています。

警察運営科

所属長になる職員に向けて、主にマネジメント研修を行う施設です。警察でいう所属長とは、警察署署長などを意味します。階級は警視程度です。研修期間はおおよそ2〜3週間とされています。

警部任用科

警部に昇進する警察官に向けた研修を行います。警部は警察署の課長級になるので、管理職としての研修という意味合いが強いようです。期間は3ヶ月もしくは2週間となっています。

課長補佐任用科

警察署の窓口等で事務を行っている職員を、拳銃や手錠などを所持する警察官と区別して「一般職員」と呼びます。警察署の課長補佐も、一般職員が務めることが多いようです。課長補佐任用科は、そのような一般職員向けに2週間の研修を行う組織です。

初任幹部科

国家公務員Ⅰ種試験で採用された、いわゆる「キャリア」と呼ばれる職員の採用時研修が初任幹部科です。キャリアは警部補として採用され、4ヶ月の研修を受けます。

行政実務科

キャリア以外の国家公務員試験での採用者のうち、警部に昇進する職員向けに研修を行うのが行政実務科です。期間は3週間となっています。

術科指導者養成科

警察では柔道・剣道など「術科」と呼ばれる体術の訓練を行います。その指導者を養成します。研修期間は4ヶ月となっています。

教官養成科

都道府県で警察学校の教官になる職員に向けて研修を行います。期間は1ヶ月間です。

専科・研究科 ・定職種任用科

警部補以上の職員で、専門的な知識や技能が必要とされる職務に就く人が研修を受けます。職能によって研修期間はさまざまです。

参考
組織・教養課程|警察大学校Webサイト