教育者の定義とは?教師とどう違う?求められる資質や能力とは - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

「あの先生は立派な教育者だった」「教育者としてこうしなくてはならない」など、使われる機会も多い「教育者」という言葉。「教師」「先生」など、教育に携わる人のことを指す他の単語とは使い分けがされているように思われます。「教育者」という言葉はどのような意味を持ち、どう使われているのでしょうか。またこの言葉に込められた思想などはあるのでしょうか。「教育者」という言葉を手がかりに、教育に携わる人の理想や目標について解説します。

教育者とは

教育者というのはどのような人のことを指すのでしょうか。語義や類語から、教育者という言葉の立ち位置を考えてみましょう。

教育者の定義

まずは辞書的な定義を見てみましょう。

教育に携わっている人。教育家。

(引用元:教育者(キョウイクシャ)とは – コトバンク(大辞林 第三版の解説)

意外にも、辞書には非常に端的な解説があるのみでした。同義語としては「教師」ではなく「教育家」が挙げられています。

教師との違い

それでは、「教育者」および「教育家」と「教師」との違いは何なのでしょうか。論文をまとめたサイト「CiNii」でそれぞれの語がタイトルに入っている論文を検索すると、以下のような結果が出ます。参考までに、Googleで同じ単語を検索したときのインデックス数、すなわちGoogleがデータベース化しているページの数も調べました。

検索キーワード CiNii論文数 Googleインデックス数
教育者 2392 約 2,370,000,000 件
教師 44032 約 257,000,000 件
教育家 317 約1,480,000,000 件

CiNii Articles – 日本の論文をさがす | 国立情報学研究所およびGoogleより筆者作成)

日本語で公開されている論文タイトルだけを見ると「教師」のほうが頻繁に使われています。一方、Googleにインデックスされている数で見ると「教師」よりも「教育者」「教育家」の方が圧倒的に多いということが分かります。

この2つの結果からだけではまだ意味のあることは言えません。しかし、論文では「教師」が使われることが多く、広くインターネットでは「教育者」の方が多いと言うことは分かりました。

論文ではよりフォーマルで学術的な単語が採用され、一方インターネット全体ではよりカジュアル、すなわち「くだけた表現」で一般に普及した単語が使われやすいと仮定してみましょう。そうすれば、教育についてフォーマル、すなわちに格式張った表現をするときは「教師」、よりカジュアルに主観を込めて言及する場合は「教育者」「教育家」という使い分けが日常的になされている、といえる可能性はあるかもしれません。

教育機関の運営者、及びそこに勤務する教員の事。わざわざ「教育者」という場合には自負心、責任感、教育理念、教育実績等が念頭にあると言える。

(引用元:教育者とは | はてなキーワード

「教育者」という言葉にはある程度の主観が込められるのではないか、という指摘が「はてなキーワード」のページにもありました。

英語ではなんて言う?

続いて「教育者」を英語でどう表現するのかを調べてみました。教育者は英語で「educator」と表現することが多いようです。これは「teacher」よりもフォーマルな言い方であるそうです。

検索キーワード Googleインデックス数
educator 約 258,000,000 件
teacher 約 1,680,000,000 件

Googleより筆者作成)

Googleのインデックス数はカジュアルな呼び方であるteacherのほうが圧倒的に多くなっていました。これを日本語の結果に当てはめてみると、同様にインデックス数の多い教育者・教育家の方が、日本語ではよりカジュアルな言い方だと考えることができそうです。

参考

educator と teacher はどう違いますか? | HiNative

教育者って英語でなんて言うの? | DMM英会話なんてuKnow?