試験対策期間
試験の合格率は、25%前後で決して合格率が高いわけではありません。また、試験の出題範囲も幅広いため、付け焼刃の学習では歯が立たないでしょう。試験は毎年1回で、10月にあるので、試験日から逆算して計画を立てることをおすすめします。
日本語教師として採用してもらうには、大学や大学院で日本語教育を専攻していた場合、文化庁認定の日本語教師養成研修420時間を修了した場合、日本語教育能力検定試験に合格した場合の3つ考えられます。
日本語教師養成研修を受ける場合、平日3時間×週5日間通学で6~7ヶ月の期間が必要です。最低でも半年間を考えておくことをおすすめします。
仕事や専門の学習とは別に、独学で学ぶ場合は、平日は30分~1時間の学習で、週末に1日5時間ほどのまとまった学習時間を確保したとしても、半年程前から試験対策をはじめることをおすすめします。まずは、過去問を解いてみて、合格ラインと自分の現在地との距離を測ることからはじめましょう。
難易度と合格率
直近5年間の受験者数と合格者数から、合格率を割り出してみました。
年度 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
平成30年度 | 6,801 | 1,937 | 約28% |
平成29年度 | 5,733 | 1,463 | 約25% |
平成28年度 | 4,907 | 1,231 | 約25% |
平成27年度 | 4,727 | 1,086 | 約22% |
平成26年度 | 4,362 | 1,027 | 約23% |
平均 | 5,306 | 1,348 | 約25% |
(日本語教育能力検定試験 応募者・全科目受験者・合格者数 推移|公益財団法人日本国際教育支援協会より筆者作成)
単純に考えると、4、5人に1人しか合格することができない試験です。
また、職業別の比率では、会社員・公務員・自営業等の社会人が35%を占めており、トップです。そして、主婦・主夫がそれに次いで14%を占めています。大学生や大学院生の割合は合計でも11%なので、仕事や家事・育児をしながら受験に臨んでいる方が多いことがわかります。
参考
平成30年度日本語教育能力検定試験 全科目受験者 職業別数・比率|公益財団法人日本国際教育支援協会)
ちなみに、受験回数は、初回の人が約7割を占めており、2回目が約2割、残りの1割が3回目4回目の人になります。
出願方法
出願するには、『日本語教育能力検定試験の願書』(にほんごの凡人社)を購入する必要があります。オンラインストアから購入するか、全国の書店で購入する方法があります。ただ、書店の場合だと、ジュンク堂や三省堂、紀伊國屋書店など大型書店に限られますので、事前にお近くの書店に確認することをおすすめします。2019年度のものは、定価で400円です。
参考
購入すると、①受験案内冊子②受験願書③振替振込用紙が入っています。また、表紙には日本語教育能力検定試験の試験日と出願期間が大きく記載されているので、出願期間はすぐに確認することができます。
願書を購入したら、願書に氏名、年齢、住所、職業などの基本情報と簡単なアンケートを記入し、顔写真を貼り付けます。そして、願書を送付する際は、特定記録郵便として送付します。これは、郵便物の紛失を防ぐためです。
願書の送付と同じく出願期間中に、受験料の振り込みを完了させます。振り込みは郵貯で行うことができます。
出願手続きが完了すると、9月下旬ころに受験票が届きます。受験票には受験番号、試験会場、試験室、受験者名、生年月日、性別が明記されています。間違いがないか確認しておきましょう。あとは、当日に受験票を持って、試験会場で試験を受けるだけです。