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日本語教師と聞くと、日本語が母国語であれば誰でもすることができる職業と思われがちですが、検定試験の出題範囲は広く、専門性も求められる職業です。今回の記事では、そんな日本語教師になるための登竜門、日本語教育能力検定試験の概要と試験対策方法、日本語教師になるための方法をご紹介します。お子さんの進路の選択肢の1つの参考にされてください。
もくじ
日本語教育能力検定試験とは?
日本語教育能力検定試験は、日本語教師になるために学習している人や日本語教育に携わっている人に必要な知識・能力を検定する目的で行われている試験です。国家試験ではありませんが、合格すれば資格を持っている日本語教師となります。
試験の概要
日本語能力検定試験は、1986年に始まり、毎年1回行われています。試験日は、毎年10月の第3か第4日曜日に1日かけて行われます。
【2019年度】
試験日 | 2019年10月27日(日) 9:00~16:40 |
試験地 | 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡(予定) |
受験資格 | 特に制限なし |
受験料 | 10,800円(予定) |
出願期間 | 2019年6月24日(月)~8月13日(火)(予定) |
合否結果通知 | 2019年12月20日(金)(予定) |
(日本語教育能力検定試験|公益財団法人日本国際教育支援協会より筆者作成)
試験会場は日本国内のみで、出願書類の販売も日本国内のみになります。そのため、海外在住の方は、受験案内の購入、受験料の払い込み、出願書類の発送、受験を日本国内で行う必要があります。また、受験票と合格証書も日本国内の住所への送付となります。
出題範囲
出題範囲は多様で、大きく分けると5つの分野に分かれています。
区分 | 主要項目(太字は「基礎項目」) |
1 社会・文化・地域 | 1.世界と日本
(1)諸外国・地域と日本 (2)日本の社会と文化 2.異文化接触 (1)異文化適応・調整 (2)人口の移動(移民・難民政策を含む。) (3)児童生徒の文化間移動 3.日本語教育の歴史と現状 (1)日本語教育史 (2)日本語教育と国語教育 (3)言語政策 (4)日本語の教育哲学 (5)日本語及び日本語教育に関する試験 (6)日本語教育事情:世界の各地域,日本の各地域 4.日本語教員の資質・能力 |
2 言語と社会 | 1.言語と社会の関係
(1)社会文化能力 (2)言語接触・言語管理 (3)言語政策 (4)各国の教育制度・教育事情 (5)社会言語学・言語社会学 2.言語使用と社会 (1)言語変種 (2)待遇・敬意表現 (3)言語・非言語行動 (4)コミュニケーション学 3.異文化コミュニケーションと社会 (1)言語・文化相対主義 (2)二言語併用主義(バイリンガリズム(政策)) (3)多文化・多言語主義 (4)アイデンティティ(自己確認,帰属意識) |
3 言語と心理 | 1.言語理解の過程
(1)予測・推測能力 (2)談話理解 (3)記憶・視点 (4)心理言語学・認知言語学 2.言語習得・発達 (1)習得過程(第一言語・第二言語) (2)中間言語 (3)二言語併用主義(バイリンガリズム) (4)ストラテジー(学習方略) (5)学習者タイプ 3.異文化理解と心理 (1)社会的技能・技術(スキル) (2)異文化受容・適応 (3)日本語教育・学習の情意的側面 (4)日本語教育と障害者教育 |
4 言語と教育 | 1.言語教育法・実技(実習)
(1)実践的知識・能力 (2)コースデザイン(教育課程編成),カリキュラム編成 (3)教授法 (4)評価法 (5)教育実技(実習) (6)自己点検・授業分析能力 (7)誤用分析 (8)教材分析・開発 (9)教室・言語環境の設定 (10)目的・対象別日本語教育法 2.異文化間教育・コミュニケーション教育 (1)異文化間教育・多文化教育 (2)国際・比較教育 (3)国際理解教育 (4)コミュニケーション教育 (5)異文化受容訓練 (6)言語間対照 (7)学習者の権利 3.言語教育と情報 (1)データ処理 (2)メディア/情報技術活用能力(リテラシー) (3)学習支援・促進者(ファシリテータ)の養成 (4)教材開発・選択 (5)知的所有権問題 (6)教育工学 |
5 言語一般 | 1.言語の構造一般
(1)言語の類型 (2)世界の諸言語 (3)一般言語学・日本語学・対照言語学 (4)理論言語学・応用言語学 2.日本語の構造 (1)日本語の構造 (2)音声・音韻体系 (3)形態・語彙体系 (4)文法体系 (5)意味体系 (6)語用論的規範 (7)文字と表記 (8)日本語史 3.コミュニケーション能力 (1)受容・理解能力 (2)言語運用能力 (3)社会文化能力 (4)対人関係能力 (5)異文化調整能力 |
(2019年度日本語教育能力検定試験実施要項|公益財団法人日本国際教育支援協会より筆者作成)
全範囲にわたって出題されるとは限りませんが、太字部分は基礎項目になっており出題される可能性が高いです。
出題範囲から分かることは、日本語についてだけではなく、教授法や評価法などの教育者としての専門的な知識、異文化理解に必要になる社会や文化の知識など総合的な基礎知識が問われるということです。
また、試験は3部構成になっています。試験Ⅰは、90分間で配点は100点、日本語に対する基礎的な知識が問われます。試験Ⅱは、30分で配点は40点、基礎的な知識と問題解決能力について音声で問われます。試験Ⅲは、120分で配点は100点、横断的な出題と問題解決能力が問われます。自分の意見を記述で書く問題もあり、試験時間も長いので集中力を発揮し続ける難しさもあります。