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アーティストと聞いて、どんな職業を想像しますか? ミュージシャンや芸術家、あるいはメイクアップアーティストを思い浮かべることもあるでしょう。アーティストという言葉だけでは、業界を絞ることはできません。
今回は、さまざまな業界のアーティストについて、どうやったらなれるのか、年収はいくらなのかをまとめています。アーティストに向いている人の特徴についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
アーティストになるには
アーティストとは、芸術を創作・表現する人のことを指します。ミュージシャンのような音楽家をアーティストと呼ぶこともあれば、色や形で表現する美術家や動きで表現するパフォーマーもアーティストと呼ばれます。
アーティストになるには、創作や表現を繰り返すだけでなく、目指すジャンルについてよく調べることが必要です。
アーティストの仕事の種類
アーティストの枠組みは人によって多少異なります。ここでは大きく、物を作り出す「作家・クリエイター・クリエイティブディレクター」、主に体で表現する「パフォーマー」、人を使って美を表現する「美容家・スタイリスト」に分けて解説します。
作家・クリエイター・クリエイティブディレクター
何かを作り出すことで芸術を表現する作家やクリエイターは、一般的に「アーティスト」と表現されやすいです。クリエイティブディレクターは複数人で制作する際に指揮をとる人のことです。少し細分化して、詳しく見ていきましょう。
美術家
美術家は、絵画や彫刻・美術工芸品など芸術作品を創作します。画家や彫刻家、陶芸家はもちろん、書道家や写真家、各種デザイナーも美術家に含まれるでしょう。
建築士以外の美術家は、学歴や資格が必要ありません。しかし一般的なルートでは、美術大学や専門学校に通うか、その道の専門家の下で勉強をします。その後はアシスタントとして勤めながら創作活動を続けるか、個人で創作を続けていきます。デザイナーの場合は、まずデザイン事務所や企業のデザイン部門に勤める人が多いようです。
美術家は物やデザインを創作することが仕事です。そして創作物を売ったり個展を開いたりすることによって収入を得ます。また、コンテストで賞金を得ることもあるようです。しかしそれだけでは生活していくことが難しく、講師として働きながらコツコツ創作を続ける人もいます。
著作家
著作家は文字で創作を行う職業です。小説家・詩人・ライターなどが含まれます。大学の文学部で文章の表現方法を学んだり、専門学校や通信講座で学ぶ人が多いです。
創作の仕方は2パターンで、1つは「自分の書きたいことを書く」もう1つは「依頼・指示されたものを書く」です。小説家や詩人は自分の書きたいものを書くことが多く、ライターは依頼を受けて書くことが多いでしょう。
小説家や詩人は専業の人はごく一部です。専業でも、創作活動だけでなく雑誌や新聞のコラムの連載で原稿料を稼いでいる人もいます。また、メディア出演料や講演料も大きな収入源です。
ライターは、社員としても仕事があります。企業で経験を積み、ステップアップとして独立することもあるでしょう。最初からフリーランスの場合は、クライアントの確保が難しくなります。コンペ方式の案件に応募することが多いので、採用されなかった場合、収入はゼロです。
著作家は、本人の意思で名乗ることができますが、仕事にするには言葉選びのセンスや多彩なボキャブラリーが問われます。学校や弟子入りで学ぶ場合も、独学で学ぶ場合も、より多くの表現方法に触れるよう努めましょう。
映像作家・劇作家
映像作品の制作をする映像作家や、演劇のための戯曲を作り上げる劇作家は、演出家とも呼ばれます。映画・ドラマ・CM・アニメーション・舞台など、表現の場はさまざまです。
映像作家や劇作家も、学歴が必要なわけではありませんが、多くの人が大学や専門学校の映像学科を卒業してからアシスタントとして働き始めます。アシスタント業をせず、自主制作で映像や演劇を作り上げることもできます。しかし費用や人脈のことを考えると、自主制作のみで活動を始めるのは険しい道になることでしょう。
音楽家
作詞家や作曲家・シンガーソングライターや演奏家・歌手をまとめて音楽家と呼びます。音や歌詞で表現して人の心を動かす仕事です。
いわゆるミュージシャンと呼ばれる大衆音楽の演奏家は、CD販売やライブで収入を得ます。また、ほかのミュージシャンのレコーディングやライブのサポートをして収入を得ることもあるようです。
プロのミュージシャンになるには、レコード会社にデモテープを送ったり、コンテストやオーディションに参加します。そして才能があると認められた場合、レコード会社や事務所と契約します。なかにはアマチュアとしての活動中にスカウトされてデビューする人もいるようです。
演奏家やオペラ歌手などは、子供のころから音楽を学び、音楽大学や専門学校で専門的に学んでから楽団や事務所に所属します。音楽家としての仕事のみでなく、講師として働いている人も多くいます。
パフォーマー
自身の体や物を使って表現をする人を、パフォーマーと呼びます。ここでは、日本の文化である伝統芸能、音楽や雰囲気に合わせて体を動かし表現するダンサー、路上でパフォーマンスをする大道芸人に分けて解説します。
伝統芸能
日本に古くからある芸術と技能として受け継がれてきた、日本舞踊や歌舞伎・能の演者、さらに茶道家や華道家も現代風にいえばパーフォーマーと呼べるでしょう。伝統を守りつつ現代の人の心を揺さぶる姿は、現代アートとは違った感動を与えます。
歌舞伎役者や能楽師・狂言師は、その家系に生まれなければなれないというイメージもあるでしょう。しかし一般の人でも、研修生として歌舞伎や能の世界に飛び込むことができます。日本芸術文化振興会によると、歌舞伎役者の32%が研修生出身です。
茶道家や華道家になるには、茶道や華道の各流派で稽古を重ね、免状や許状をいただく必要があります。家元に弟子入りするか、専門学校や短大に入って学ぶという方法が一般的です。
ダンサー
ダンサーは音楽やシチュエーションに合わせて体を動かし、表現します。あらかじめ振り付けが決まっている場合と、即興の場合がありますが、即興ダンスも基礎を身につけていないと難しいものです。
ダンサーになるためには、スクールに通うか独学で踊りを学びます。そして劇団や事務所のオーディションに参加し、合格すればダンサーとして活動することになります。
大道芸人
ストリートパフォーマーとも呼ばれる大道芸人は、路上でパフォーマンスを披露します。主な収入はギャラリーからの投げ銭やイベントの出演料です。
大道芸人になるには、特別な資格はいりません。しかし路上パフォーマンスは場所によっては自治体に許可を取らなくてはいけません。芸人としてのテクニックだけでなく、路上パフォーマンスを行う上でのマナーやルールは勉強しておかなければいけないでしょう。
美容家・スタイリスト
美容家のなかでもアーティストと呼ばれる職業があります。それがヘアメイクアーティストやメイクアップアーティストです。
ヘアメイクアーティストはヘアスタイリストと呼ばれることもあります。髪の毛や化粧で、日常のおしゃれから特別な日のおしゃれにすることや、撮影やファッションショーを彩るサポートをするのが仕事です。
ヘアメイクアーティストの場合、髪の毛のカットやパーマ、カラーリングを行わないのであれば資格はいりません。しかし、髪や皮膚の知識も求められるので、美容師免許や理容師免許を取得していることが一般的です。
メイクアップアーティストも、化粧だけであれば特に資格はいりません。しかしヘアメイクを担当することも多いため、美容師免許や理容師免許を持っている人も多く、資格を保有していた方が有利になります。
ヘアメイクアーティストやメイクアップアーティストになるには、美容専門学校や大学の美容学科に通います。そして美容師・理容師試験に合格した後、ヘアメイクアーティストの事務所や個人のヘアメイクアーティストの下でアシスタントとして経験を積んでいきます。]