臨床心理士の仕事内容とは?仕事先にはどんなものがあるの? - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

臨床心理士の仕事先

臨床心理士の仕事先
臨床心理士は病院を職場とするイメージがありますが、医療分野だけでなくさまざまなジャンルに数多くの職場があります。企業などを訪れて労働者のメンタルヘルスの向上のために寄与することもあります。

保健や福祉以外にも、学校などの教育分野や警察、裁判所などの司法分野も臨床心理士のフィールドとなります。さまざまな職場で活躍する臨床心理士の仕事について一部を紹介しましょう。

医療・保健分野:病院の心療内科・小児科など

臨床心理士は心の病気の専門家でもあるため、精神や神経にトラブルを抱えている患者を相手にすることが重要な仕事となります。医療の現場では、精神神経科、心療内科、小児科などが主な勤め先となり、カウンセリングや専門的な療法で治療にあたります。

医師とは違って患者の話に耳を傾けながら個性や人格を見極めつつ、患者の心を和らげます。心理学の専門的な知識だけでなく、相手に心を開かせるテクニックも必要です。

福祉分野:地方自治体の保健福祉センターなど

地方自治体が管轄する保健福祉センターに常駐している臨床心理士もいます。精神保健福祉に関わる課に属して、訪問相談を受けてカウンセリングをして医療機関につなぐのも臨床心理士の仕事です。

児童相談所では非行、発達障害、虐待、など心理的な検査や援助を必要とする子供がたくさんいます。自分が悪いと責めて人になかなか打ち明けられない虐待の事実を心理療法によって聞き出すことにも貢献します。

教育分野:学校・教育関連施設など

学校や自治体の教育員会にはスクールカウンセラーという名前で臨床心理士が常駐することがあります。学校には不登校や非行、発達障害の疑いや虐待の可能性、いじめなどさまざまな問題が山積しており、臨床心理士も多忙を極めます。

学校で事件や事故が起きた際には、子供の心理的ケアをするために臨床心理士が緊急派遣されることも珍しくありません。傷つきやすい子供の心を癒やすという大切な仕事に従事しています。

司法・矯正分野:裁判所・刑務所など

少年が事件を起こして少年審判を受ける際には、処遇を決定するために社会的所見や心理的所見などが必要となります。鑑別所では一定期間、行動観察や心理テストを実施して処遇決定のためのデータにします。

成人が起こした事件では責任能力が問えるかどうかが大きな問題となることがあるため、精神鑑定が実施されることがあります。また、刑務所に服役する受刑者の心理的ケアにあたるのも臨床心理士の仕事です。