作業療法士の就職先は?
国家試験を受けて、晴れて合格した作業療法士はどのようなところへ就職するのでしょうか。実際、新卒者のほとんどは正社員として採用され、就職先は病院や福祉施設、介護施設などの医療機関が主な場所。ここでは医療機関と福祉施設に分けてご紹介します。
医療機関
作業療法士は、総合病院やリハビリテーション病院のリハビリ部門に就職できます。病院にはリハビリのための部屋が用意されていることが多いので、専用の部屋で患者さんと向き合ってリハビリします。
また、入院病棟を回って作業療法を行うことも。適宜、医師や看護師などの医療スタッフと連携を取りながら、患者さんの社会復帰へ向けて支援していきます。
福祉施設
精神障害の人や発達障害の子供、老人ホームなどの福祉施設に就職する作業療法士もいます。躁鬱病や統合失調症などの精神疾患を患う人を対象に作業プログラムを実施し、精神的な負担の緩和に努めたり、障害のある子供の発達を、遊びを通して支援したり、老人福祉施設で社会復帰を目指す人たちの支援を行います。
福祉施設でも医療機関同様に、対象者の社会復帰や、QOL(生活の質)の向上を担う立場の医療スタッフとしての役割を担います。
作業療法士の年収と平均給与は?
作業療法士の年収や給料はどのくらいなのでしょうか。医療職の一種ですがが、生活をしていくのに困らない程度は稼げるのでしょうか。ここからは、作業療法士の年収と給料について解説していきます。
将来作業療法士になることを検討している人は、給料についてもしっかりと把握しておきましょう。
平均給料と年収、労働時間
厚生労働省が発表した2017年の賃金基本統計調査によると、作業療法士理学療法士の給料に関する各種平均は以下の通りでした。
・年齢 32.7歳
・労働時間/月 164時間
・超過労働時間/月 6時間
・月給 284,100円
・ボーナス 639,000円
・年収 4,048,200円
参考
賃金構造基本統計調査職種DB第1表用|e-stat政府統計の総合窓口
年齢や性別による差はありますが、平均年収は400万円台となっており、他の医療職と比べると少し低めです。しかし、超過労働時間については6時間程度と、残業は比較的少なめであることが分かります。
事業所の規模別年収
病院などの医療機関や福祉施設など、事業所の種類や規模による大きな差はありません。
大きな事業所でも、小規模な事業所でもだいたい同じような年収となっており、作業療法士という仕事の中での選択の幅は、それほど大きくはないことが分かります。
高卒・短大卒・大卒別年収
それでは、学歴別で年収を見るとどうなのでしょうか。平均年収.jpが独自に算出した数値を見ると、一般的に年収が一番高くなる50~54歳では、高校卒が495.7万円、短大卒が582.4万円、大学卒が774.5万円と、学歴によって年収に数百万円の開きがあることが分かりました。
参考
作業療法士の年収は471万円!作業療法士について詳しく解説します!|平均年収.jp