ネットワークスペシャリストの試験内容
ネットワーク技術において、最難関資格とされるネットワークスペシャリスト。実際に、どのような問題が出題されるのでしょうか? その内容を試験当日の流れを追いながら見ていきましょう。
【午前Ⅰ】多肢選択式
当日に受験することになるのは、多肢選択式の試験です。時間、問題数などをまとめると以下のようになります。
試験時間 | 出題形式 | 出題数 | 解答数 |
9:30〜10:20
(50分) |
多肢選択式
(四肢択一) |
30問 | 30問 |
(ネットワークスペシャリスト試験(NW) |IPA 情報処理推進機構より筆者作成)
なお午前の部の試験は、ITストラテジスト試験やシステムアーキテクト試験など他の試験と共通の問題になります。ネットワーク関連の専門知識というよりも、エンジニアであれば知っておきたい基礎的な知識が問われています。
また、以下の条件に当てはまる場合は午前Ⅰの試験は免除となります。
- 応用情報技術者試験(AP)に合格していること。
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格すること。
- 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を取ること。
- 上記のいずれかを満たし、申し込み時の願書に指定の番号を記載すること。
参考
情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の一部(午前Ⅰ試験)免除制度|IPA 情報処理推進機構
ネットワークスペシャリストの試験は一通り受けると、終了時刻が16時30分になります。気力や体力を温存するという意味でも、免除制度はぜひとも利用したい制度でしょう。
【午前Ⅱ】多肢選択式
続いては午前Ⅱの試験です。午前Ⅰの30分後に開始されます。時間や問題については、以下のようになっています。
試験時間 | 出題形式 | 出題数 | 解答数 |
10:50〜11:30
(40分) |
多肢選択式
(四肢択一) |
25問 | 25問 |
(ネットワークスペシャリスト試験(NW) |IPA 情報処理推進機構より筆者作成)
時間や出題形式などは、午前Ⅰと大きくは異なりません。免除の制度がないため、ここからはネットワークスペシャリスト受験者の全員が受けることになります。
午前Ⅱの試験の例としては、使用プロトコルとして正しいものを選んだり、用語や接続方式の名称を選んだり、マルチプロセッサの性能の値を計算したりするなどの問題が出題されています。ネットワークに関する幅広く、一般的な知識が問われると言えるでしょう。
【午後Ⅰ】記述式
午後の試験は出題の形式も変わり、午前中の試験よりもぐっと専門性が高くなります。まず、時間や出題の形式をまとめると以下のようになります。
試験時間 | 出題形式 | 出題数 | 解答数 |
12:30〜14:00
(90分) |
記述式 | 3問 | 2問 |
(ネットワークスペシャリスト試験(NW) |IPA 情報処理推進機構より筆者作成)
午後の部では、いよいよ記述式の問題が出題されます。試験問題は3題ありますが、その中から2問を選んで解答する方式です。各問は10問前後の小問からなっているため、実際には約20問ほどの問題に解答するということになります。
内容としてはネットワークの構成図が記載されており、その説明文の穴埋めや構成の理由の記述などを答える問題が出されています。また、問題文もボリュームがあります。お昼休み後であるため、集中力を保つことも合格への立派な対策と言えるでしょう。
【午後Ⅱ】記述式
午前Ⅰから徐々に難易度が上がり、最後の午後Ⅱの問題は最難関になります。時間や出題の形式は、以下のようになっています。
試験時間 | 出題形式 | 出題数 | 解答数 |
14:30〜16:30
(120分) |
記述式 | 2問 | 1問 |
(ネットワークスペシャリスト試験(NW) |IPA 情報処理推進機構より筆者作成)
2題のうちから1題を選んで解答するため、問題数が少ないのでは? と思われるかもしれません。問題数は、1題当たり10〜15問ほどです。言葉の穴埋め問題があれば、理由を30字以内で述べるような記述問題もあります。しかし試験時間はなんと2時間。かなりの集中力が求められるでしょう。
さらに驚くべき点は、1題当たりの問題文が非常に長いという点です。2018年度の試験問題では、問1の問題文は11ページにも及んでいます。「どこからが設問?」と、問題を探してしまう人もいるでしょう。
午後の試験は専門的な知識はもちろん、気力が試されると言っても過言ではありません。事前に過去問を解く際には時間を計測し、なるべく本番に近いシチュエーションに慣れておくことも大切です。