医師になるにはどうしたらいい?医師の現状や求められる資質を解説 - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 3

医師に求められる5つの資質

医師 になるには
医師になるためにはどのような資質が求められているのでしょうか。2016年度に厚生労働省が発表した「医学教育モデル・コア・カリキュラム」の中で定義されている中から、医学部に進学する前に知っておくべき資質についてご紹介します。

プロフェッショナリズム

医師は特に人の生命に関わる仕事を担っています。1人のプロとして裁量権がある一方、人の健康や生命を守る職業としての責務を負わなければなりません。

人の命に深く関わり健康を守るという医師の職責を十分に自覚し、患者中心の医療を実践しながら、医師としての道(みち)を究めていく。

(引用元:医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)|文部科学省

医学知識と問題対応能力

患者に対して適切な治療を施すための医学知識を身につける必要があります。また単に知識があるだけではいけません。ケースごとに問題点は何かを洗い出して対応できる力が求められます。

発展し続ける医学の中で必要な知識を身に付け、根拠に基づいた医療(evidence-based medicine)を基盤に、経験も踏まえながら、幅広い症候・病態・疾患に対応する。

(引用元:医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)|文部科学省

コミュニケ-ション能力

コミュニケーション能力とは、患者の立場に立ち、分かりやすく説明することはもちろん、その人の社会的背景や気持ちをくんで対応できる力のことをさします。また、患者本人だけでなく、ときには患者の家族との関係性を築かなければなりません。

患者の心理・社会的背景を踏まえながら、患者及びその家族と良好な関係性を築き、意思決定を支援する。

(引用元:医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)|文部科学省

科学的探究

医師は患者を治す職業であると同時に、治療法がない未知の病気に対して研究をしていくことも仕事。自分が患者さんに行った治療に対して検証を行うなど、科学的な探究心が求められます。

医学・医療の発展のための医学研究の必要性を十分に理解し、批判的思考も身に付けながら、学術・研究活動に関与する。

(引用元:医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)|文部科学省

生涯にわたってともに学ぶ姿勢

自分で研究したり、あるいは他の医師が研究して新たに分かった治療法など、進歩する医療について生涯学び続ける姿勢が求められます。医学部や研修医として学んだことだけがずっと活きるわけではなく、医師を続けていく限り学び続けることが必要なのです。

医療の質の向上のために絶えず省察し、他の医師・医療者と共に研鑽しながら、生涯にわたって自律的に学び続ける。

(引用元:医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)|文部科学省

終わりに

医師という職業を目指すのは決して簡単ではありません。しかし高齢化社会が続く日本で、地域や診療科目によってはますます医師のニーズが高まってきます。なるまでも、なってからも大変ですが、やりがいのある職業と言えるでしょう。

参考
医師の需給に関する背景|厚生労働省
医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)|文部科学省
分娩取りやめ、105病院 本社全国調査|朝日新聞
医師の偏在に関するこれまでの取組み|厚生労働省
医師不足問題をどう捉えるべきか?|日本医師会総合政策研究機構
医師になるには|Benesse マナビジョン

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ニーガタのオーモリ