医師になるために踏むべき進路とは?
医師を目指したい人は、いったいどんな進路を選ぶ必要があるのでしょうか。
大学の医学部に進学
まずは「大学の医学部への進学すること」です。多くの学部は一般的に4年制を取っていますが、医学部をはじめとする医・歯・薬学部は6年制となっています。
この医学部進学が、最初の関門と言えます。受験倍率は他学部と比べても高く、2016年度の国公立大学の他学部を含めた全体の倍率は4.7倍でしたが、医学部に限っては6.7倍になっています。また、私立大学では他学部を含めた全体では12.3倍、医学部のみで36.5倍と、およそ3倍へと倍率が跳ね上がります。
(参照元:2018年度 合格者/入学者の内訳 現浪比ランキング|医学部受験ラボ)
また、留意すべきなのはその学費です。4年制よりも長く勉強するため、その分学費は高くなります。国公立大学は他学部と比較しても差がないのに対し、私立大学では安くとも6年間総額で1850万円かかります。
(参照元:2018年度 国公立大学 受験料・初年度学費一覧|Kei-Net)
進学してからも座学や実習を含め、日々勉強します。近年、医学部では取るべき単位が取得できず、留年する学生が増えています。文部科学省の学校基本調査において、大学を対象にした調査の1つに「最低在学年限超過学生数」というデータがあります。2018年の調査によると、修業年限が6年である医学・薬学・歯学の学部において総計で7,228人の学生が留年しています。
医師になるには、大学の医学部にまず合格し、入学後も取得すべき単位を取得し続けることが必要なのです。
医師の国家試験に合格
医師になるには、医学部に入って単位を取得し、卒業年に医師の国家試験を受験して合格する必要があります。
国家試験では基本的な診察能力に関する問題や、医師として倫理や患者の人権などに配慮した問題などが出題されます。また、医師として絶対にしてはならないことを問う「禁忌肢問題」が出題され、4問以上誤ると不合格となります。
臨床研修医として2年以上の経験
大学6年生の夏ごろから就職活動も行います。病院などから内定をもらったのち、年度末の国家試験に合格することができれば「臨床研修医」として就職することになります。
就職先となるのは大学病院、公立病院、私立病院、診療所などの医療機関です。病院勤務の場合、勤務時間が長かったり激務の場合もありますが、最先端の医学を働きながら学んでいくことができます。最初は急性期の患者さんを受け入れる総合病院でさまざまな症例を経験する場合が多いようです。
晴れて医師になれる
研修期間が終われば、晴れて1人の医師となります。実際に自分がメインで患者さんを担当することになったり、大きな総合病院では専門分野を選択して医局などに入ることもあるようです。
病院で専門性を磨いたのち、クリニックなどを独立開業する医師もいるようです。