イラストレーターとして必要なスキル・能力
イラストレーターに必要な資質として絵を描くことが何よりも好きであるということは大切なことです。しかし、趣味の世界とプロの世界には明確な違いがあり、自分で好きなように描くだけではイラストで生活することができません。
イラストレーターのなかには、美大や専門学校などで基礎からテクニックを学んだ人もいれば、独学で成功を手にした人もいます。イラストレーターとして活躍するためには、どんなスキルや能力が必要となるのでしょうか。
デッサン力
芸術的な絵画を専門に描くだけでなく、イラスト、マンガなどを描く者にとってもデッサン力は基本となります。デッサン力がある人とない人では、その違いが描かれたイラストに一目瞭然に出るものです。デッサンは対象物を見たままに描くだけでなく、本質をとらえて自分なりの解釈で読み取る力も必要です。
デッサン力に長けている人は対象物を細かく描くことができるため不自然さがなく、全体のバランスも整っています。デッサン力を高めるためには物をよく観察することが大切です。
オリジナリティー・想像力
イラストは、世の中に実在するものを見たままに描くだけのものではありません。人を惹きつけるイラストは、斬新さや摩訶不思議さなど、それまでのイラストの価値観を覆すようなものであることがほとんどでしょう。
常識だけにとらわれていては見たことがない生き物や風景などを描くことはできません。実在のものからモチーフとなるものを組み合わせたり、一旦壊して再構成したりするなどの想像力やオリジナリティーが必要です。そうでないといつまでたっても模倣の世界から抜け出せずクリエイティブなイラストを描くことはできないでしょう。
コミュニケーション能力・折衝能力
売れっ子のイラストレーターであればある程度自分の思い通りにイラストを描くことができるかもしれませんが、基本的依頼主の意向やリクエストに沿って作品を仕上げるのがイラストレーターの仕事です。
自分が描きたいものではなく、編集者や代理店のイメージ通りのものを描かないと仕事になりません。「どのようなイメージを伝えたいのか」を明確にしたり、「このようなイメージの修正はいかがなものか」と提案したりするためには、コミュニケーション能力や折衝能力も必要となります。
イラストレーターの給料
イラストレーターには企業勤務とフリーの2つの形態があるため年収にも大きな違いがあります。企業イラストレーターであれば、ある程度の固定給が給料として入るため、ある程度の安定した生活は保証されます。その一方で、フリーランスのイラストレーターは、仕事がとれるか、認められて継続発注がなされるかによっても違いが大きく、年収100万円に満たないことも珍しくありません。
フリーのイラストレーターは、給与ではなく原稿料という形で作品ごとに支払われます。知名度があがれば1枚当たりの原稿単価も上がり、なかには1000万円を超えるイラストレーターもいます。
平均年収260万円程度と平均よりも低め
個人差や多少あるものの、イラストレーターの平均年収は260万円程度と言われています。クリエイティブ系の職種全体でみた平均年収は約390万円なので、イラストレーターの平均年収は比較的低めであると言えるでしょう。
サラリーマンのように固定給が約束されることは少なく、作品が起用されるか否かによって収入には大きな違いがあります。キャリアが長くてもアルバイトをしないと生活ができないというイラストレーターも少なくありません。
フリーの場合、1枚あたりの単価の価格になるため低くなりがち
どこの会社にも所属せずにフリーランスのイラストレーターとして働く場合は固定給が全くないため、実力次第で収入が大きく変化します。ほとんどの場合は、自ら作品を持ち込み認めてもらうか、作品募集に応募して起用されることで仕事を得ることになります。
知名度がないフリーイラストレーターの場合は、1枚あたりの単価が低く設定されがちです。フリーで生活できるイラストレーターはほんの一握りしかいないため、まずは企業専属のイラストレーターとして経験を積んでから次のステップに進む方がいいでしょう。
知名度が高くなる、人気キャラクターを持つようになると高収入も可能
一般の方がイラストや作者の名前を見るだけでピンとくるような知名度が高いイラストレーターは、高収入を得ることができます。人気や知名度があがれば仕事は次々に舞い込むようになるため、自分で営業活動を行う必要もなくなるでしょう。
最近ではゲームのキャラクターが特に人気になっており、ゲームだけにとどまらず映画化やグッズの販売などで高い収益をあげることもあります。1つでも世間の評判となるようなキャラクターを描くことができれば、大きくステップアップすることができるでしょう。
まとめ:絵を活かせるイラストレーターを目指そう
小さな頃からとにかく絵を描くことが好きだという子供には、将来の職業としてイラストレーターを目指す道もあります。イラストレーターは、書籍や広告、ポスターや動画など、さまざまな媒体でクライアントから受けたリクエスト通りにイラストを描くのが仕事です。
学歴や資格などは問いませんが、プロのイラストレーターになるには確かなスキルや創造力、オリジナリティーなどが必要となるため、美術系の大学や専門学校で学ぶ人が多いようです。仕事の種類や会社に就職するかフリーランスで活動するかによっても収入は大きく変わります。仕事を続けながらステップアップを図りながら夢を実現することもできます。もし子供が絵を描くことで生計を立てたいと本気で考えているのであれば、簡単な道ではありませんが、イラストレーターを目指してみることをすすめて見ましょう。子供たちから職業について相談があったときサポートできるようにアンテナを張っておくのも、現代の親の勤めの1つかもしれません。