宇宙飛行士に求められる適性・資質
宇宙飛行士になるには難関と言われる宇宙飛行士候補者選抜試験を受け、訓練生となりそこからさらに訓練を受け合格して初めて宇宙飛行士と認められます。しかし宇宙飛行士になれたとしても、実際に宇宙に行けるのはごくわずかです。
どんな職業にも適性がありますが、宇宙飛行士ほど適性を重視する職業はないと言っても良いくらいです。学力があってもそれだけでは通用しないことも多々あります。宇宙飛行士として向いている人はどういう人なのかをチェックしてみましょう。
宇宙での長期滞在への適応能力・チームワーク
宇宙に行ったらある程度の期間を宇宙で過ごすことになります。広さはあるとしても宇宙船の中という限られたスペースのなかで、他の宇宙飛行士と生活を共にします。宇宙飛行士としての任務をなす場合は、他の宇宙飛行士と協力しなければいけません。
任務をこなすには協調性だけでなく、宇宙飛行士同士のコミュニケーションも必要です。国が違えば文化も違いますが、任務中は文化や価値観が違う人とも仲良くしなければいけません。地球とは違う環境で長期間滞在するので、適応力も求められます。
英検1級程度の英話力
宇宙飛行士メンバーに選ばれる人はいろんな国の人がいます。それぞれ母国語が異なりますが、任務中は共通語となる英語を使います。英語力は英検1級程度のレベルがあれば、問題なく会話やコミュニケーションができます。
英語力があれば大抵の会話や意思の疎通ははかれますが、ロシア語も話せる方がいいという説もあります。日本語と英語の他に、何ヶ国語か話せるならそれに越したことはないでしょう。過去に宇宙飛行士として宇宙に行った日本人も何人かいますが、みんな英語のレベルが高く全員がロシア語も話せるとのことでした。
これから宇宙飛行士を目指そうと思っているなら、英語だけでなロシア語も勉強しておくといいかもしれません。発音についてはネイティブのように流暢ではなくても問題ないようです。英検1級を取得していなくても構いませんが、それと同じくらいの英語力は必須と思っておくといいでしょう。
宇宙滞在に適応できる身体・精神
宇宙飛行士として宇宙に行く場合、数ヶ月間という長期滞在になります。どのくらい滞在するかはその時によって違いますが、1日や2日で戻ることはないので宇宙に滞在中は何があるか分かりません。
予期せぬ事態に備えて十分な訓練を積んでいますが、いざそういう事態になった場合、パニックを起こすと自分だけでなく宇宙飛行士全員の命を危険に晒す可能性があります。宇宙飛行士としての適正は学力や知識だけでなく、予期せぬ事態でも適応できる冷静さと精神力の強さも必要です。緊急時でも冷静に的確な判断ができる人が向いています。
水泳の能力
宇宙に行き水の中を泳ぐということはありませんが、NASAでの訓練中はプールのなかで水中サバイバル訓練を行います。宇宙服を着た状態で、水中を歩いたり泳いだりしますので、泳げない人は宇宙飛行士になれません。
他にもいくつか水中で行う訓練があるため、水を怖がる人や水中でパニックになるようだと訓練が受けられないので適正がないと判断されてしまいます。宇宙飛行士を目指そうと考えているなら、泳げることも条件になると覚えておくといいでしょう。泳ぐといっても水着を着て泳ぐのではなく、宇宙服を着た状態で泳ぎます。
水中では浮力が働くとは言え、100kg以上あるものを身にまとっているわけですから、体力も必要です。宇宙空間は無重力となるため100kg以上ある宇宙服を着ていても重さは感じませんが、地球上で本物の宇宙服を着た場合屈強な人でも立っているのは難しくなります。
宇宙飛行士の年収
宇宙飛行士の給料は、JAXA職員給与規程が適用され、採用時の本給は大卒30歳で約30万円、35歳で約36万円となっています。また、昇給が年1回と年に2回の賞与があり、扶養手当、住宅手当、通勤手当、特殊勤務手当などの諸手当が支給されますが、専門的な職業としてはそれほど給料が高くないのが特徴です。
参考
宇宙飛行士の給料・年収 | 宇宙飛行士など550種類の職業や仕事を紹介 Career Garden
宇宙飛行士の給料はJAXAやNASAでも手当込で年収数百万円~で意外と年俸は高くない | 【カムサビア】宇宙の謎や不思議、飛行士や開発、UFOや宇宙人のことなど、最新のニュースを解説
まとめ:憧れの仕事をしよう
宇宙飛行士は子供の憧れの職業です。実際に宇宙飛行士になるには超難関と言われる試験を受け合格しないといけませんが、試験を受けるにも条件があります。宇宙飛行士を目指すなら早い段階から準備が必要ですが、準備万端で望んでも宇宙飛行士になれる確率はかなり低いです。しかしそれでも夢のある職業には違いないでしょう。親も子供たちの夢を追うサポートができるよう、早くから情報収集に勤めておきましょう。