作家に求められる能力とは
プロとして活躍できるのはほんの一握り。狭き門を勝ち抜いていくために、小説家にはどういった能力を求められるのでしょうか。
孤独に克つ
作家活動は、孤独な作業です。何十枚、何百枚の原稿を書くために、パソコンの前に座って書き続けなければなりません。仮に家族と住んでいても、作業の際には一人で孤独に執筆を進めます。能力を高めるため、作品を仕上げるために、一定期間執筆に没頭する場面もあるでしょう。その期間、世間が浮かれて遊んでいようと、楽しく過ごしていようと関係なく、自分の執筆活動に集中できる力も必要でしょう。
表現力
作家の文章表現力は、作品の仕上がりを左右するほど重要な項目です。狙いどおりに読者の心を動かせるかは、表現力次第で決まると言っても過言ではないでしょう。表現には、いくつも技法があるため、作家スクールやプロの作品を読んで学んでもいいかもしれません。
哲学
小説で描く世界観は、作家自身の哲学なくして成り立ちません。哲学は、作品中で訴えかけられていたり、隠されたテーマになっていたりします。何かしら世の中に伝えたい哲学、思いを持っていると、それが作品の深みになるようです。
作家の力を上達させるには
作家スクールに通う以外に、作家としての実力を向上させるには、どういった方法があるのでしょうか。いくつかご紹介します。
文学作品を読む
多彩な表現は、豊富かつ良質なインプットに基づきます。読書の質と量は、表現力に直結します。そのために、ドストエフスキーの「罪と罰」、太宰治の「走れメロス」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」などの文学作品を読んでみてはいかがでしょうか。単に読み進めるのではなく、「なぜこの表現か」「社会的背景は何か」「なぜこのセリフを言ったのか」といった観点で物語を読むことが大切です。
専門分野を学ぶ
自分の興味のある分野を深堀して研究すると、新たな発見があるかもしれません。その発見を軸に作品を手掛けていくのも一つの方法です。専門分野の発見は読者にとっても、衝撃になるかもしれません。注意点は、専門的な内容をいかに分かりやすく、おもしろおかしく伝えられるかに留意することです。そのためにも、十分に専門分野の内容を理解していく必要があるでしょう。たとえば、「検察官」「宇宙工学」「着物」などをテーマにしてみてはいかがでしょうか。
取材する
より臨場感と正確性のある原稿を書くのに、表したい状況を作家自身が取材するのも一つでしょう。取材でしか得られない情報があるだけでなく、実際に体験した表現は説得力を上げさせ、読者を引き込みます。
ニュースや新聞を読む
時事問題を知っておくことも、作家には必要でしょう。ニュースや新聞には、さまざまな人の意見が寄せられます。自分と違う考えや意見を情報として受け取っておけば、登場人物の幅にもつながるでしょう。また、実際の事件を題材に、作品として作る作家もいます。「現実は小説よりも奇なり」という言葉のとおり、ニュースや新聞に触れておくことで驚きの発見があるかもしれません。