工学部は就職に有利?子供の将来を考える親が知っておくべきこととは - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

理系の学部の中でも、特に就職に強いとされているのが工学部です。取れる資格も幅広く就職にも有利な工学部への進学にも、いくつかの注意点があります。この記事では、そんな工学部の魅力をさらに深く紹介しながら、子供の将来を真剣に考える親だからこそ気を付けたいポイントも解説します。

そもそも工学部ではどんなことを学ぶの?

工学部では、最初に数学や物理学、化学といった理系の基礎を徹底的に学びます。そして、その知識を活かして、さまざまな専門的な研究を進めていくことになります。大まかに機械工学と電気工学、情報工学、物質工学の4つが工学部の研究分野です。
機械工学はエンジンの設計の土台となる熱力学、動く仕組みづくりに必要な機械力学、海や大気への影響学ぶ流体力学、材料の性質追求する材料力学に分類されます。さらに、電気工学と情報工学では、電子回路やコンピュータを作るための知識を、有機物や無機物といった化学物質を研究する分野が物質工学といったように、工学部で学ぶ分野は多岐にわたります。ただし、どの学問においても最初に学ぶ数学や物理学、化学が基礎となるという共通点があるのです。

同じ理系でも理学部とは全く違う学部?

「同じような分野」とひとくくりにされるにもかかわらず、まったく違う研究テーマを持っているのが工学部と理学部です。工学部では、先ほど紹介したような機械工学や電気工学を学びますが、理学部は理科と数学の研究を行います。確かに数学に強くなければならないという共通点はありますが、理学部は数学と理科を追求する学者、工学部は機械やコンピューターを操るエンジニアといったように、身につけられるスキルやその活かし方がまったく異なるのです。

工学部が有名な大学の偏差値とは

どの学部にも言えることですが、大学の偏差値はその人気度に左右されます。そして、工学部を設けている大学の中でも、「東京大学」、「京都大学」、「東京工業大学」の3校は偏差値70前後と非常に高い水準の名門校です。ただし、文系における経済学部と同様に工学部も偏差値の幅が非常に広い学部であるため、子供の適性に応じて大学選びをすることをおすすめします。

工学部が就職に強い学部と言われる3つの理由

理系学部の中でも特に就職に強いと言われている工学部ですが、その理由はどこにあるのでしょうか?「日本企業には優秀なメーカーが多いため」、「就職率が安定している学科であるため」、「学部別の平均年収が高いため」という3つの理由があり、日本という国の文化が工学部に有利に働いていることが分かります。

【理由その1】日本企業には優秀なメーカーが多いため

最近では「海外の国々のほうがモノづくりに関する実力がある」と言われていますが、日本企業の多くは優秀なメーカーであることは事実です。世界的な自動車メーカーや空調機を海外に普及させたメーカーなど、世界的なシェアを誇っている企業が数多くあります。そして、仮に日本企業が衰退したとしても、産業の中心にはモノづくりがあります。モノを流通させることが経済を活性化させることでもあるため、就職における工学部の優位性が失われてしまうことはないでしょう。

【理由その2】就職率が安定している学科であるため

もちろん大学のレベルによる違いはありますが、工学部は基本的に就職率が安定している学科です。実は最近少しずつ変化してきているものの、日本では新卒一括採用が慣習となっていることが起因しています。さらに、日本企業は実績を出している人材の学歴から、そのルーツを見つけ出した上で、新卒採用を実りのあるものにしようと考えるため、大学の就職率は一定に保たれています。大学選びが将来の仕事に直結するため、高いレベルの大学に人気が集まるのです。

【理由その3】学部別の平均年収が高いため

先ほど紹介したように産業や経済の中心はモノづくりです。そして、人材は需要によって対価が変動するため、工学部は学部別の平均年収が高い学科と言えます。もちろん時代や個々のスキルによって年収は変動しますが、工学部で身に付けたスキルを活かせる職業は年収が高くなる傾向にあります。エンジニアやプログラマーなど、ここ数十年で当たり前になった機械化を支えているのが、工学部で身に付けたスキルを活かしている社会人です。