農学部で学べることとは?大学進学にあたって親が知っておくべきこと - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

農学部で学べる5つの専攻とは

同じ農学部でも、専攻する学問によって学ぶことができる内容が大きく異なります。ここからは農学部で専攻できる学問として、「作物学と園芸学」「農芸化学」「農業工学」「森林科学」「畜産学と獣医学」の5つを解説します。

イメージしやすい作物学と園芸学

農学部で専攻することができる1つ目の学問が、作物学と園芸学です。先ほど解説した農学の分類の中では、主に栽培技術を深く学ぶ学問となり、大学に設けられている学科では農家として作物を育て、収穫までを行う実習を経験できます。

微生物の研究を行う農芸化学

農芸化学は農業の課題に対して、化学的な研究を行います。土壌改良や肥料、農薬を用いて、いかに生産量を向上させるか、品種改良によって作物の味や栄養価をいかに上げるかを追求し、その生物の最小単位である微生物の性質を追い求める学科です。

現代の農業になくてはならないものであり、応用化学や応用生物学などの分野とも密接に関わっているため、「農学に興味がありつつ研究をしたい」という若者が多く集う学科としても知られています。

農業のシステムを追求する農業工学

農業工学は、主に機械による農業経営を追求する学科です。経営の観点から言えば、多くの作物を作り出し、マーケティングを行うことが農家としての成功と言えますが、人間も含めた地域の自然環境の保全も農家として考えるべきことと言えます。

研究分野は農業土木系と農業機械系に分類され、農業土木系は農地の排水や水質保全などの整備面について、農業機械系は安全で効率的な生産システムについて研究することができます。どちらの学問においても、環境保全の問題と作物の量と質の問題を解決するための地域開発を含めた、地域の自然と人間との関係をより良いものにすることがテーマとなります。

自然環境を深く学べる森林科学

森林科学は、森林の生態系を研究する学問です。森林とそこに住む動植物との関わりや、その森林の樹木や土壌との関わりが、森林科学の研究対象となります。学者として森林科学を追求する場合には、土壌学や地形学、生理学といった知識が求められ、林業経営の観点からは経営の知識を求められる非常に奥深い学問です。

動物の飼育を研究する畜産学と獣医学

畜産学と獣医学も農学部で専攻できる学問です。作物の品種改良は農芸化学の分野となりますが、対象が家畜になった場合には畜産学の分野になります。畜産学の研究は主に飼育と繁殖の技術となりますが、経営の観点を付け加えることで、ペットフード産業などの業界との関わりが生まれる学問でもあります。獣医学は、ペットとして飼われている動物の病気や怪我の治療法や予防法を研究する学問です。人間を対象とする医師と同様に、病気やかかりやすいけがは環境の変化に影響を受けるため、幅広い知識と経験が求められる学問とも言われています。

農学部から目指しやすい3つの職業

農学部では、農業をさまざまな角度から研究する学問を学ぶことができます。ただし、農学部に進学する学生もその親も、進学前にスキルを活かせる職業の確認までを行っておきましょう。どのような知識を、どのような形で社会貢献に活用するかを見定めることは、学生生活を充実させる第一歩となります。

農作物を作り出す農家や農業研究者

農学部を卒業した後の進路の1つが、農作物を作り出す農家や農業研究者です。作物学や園芸学を専攻した学生の多くが、実際に米や野菜を生産する農家として活躍しています。また、自分で農業を行わない学生は、農業研究者として社会と農業のつながりを探求するケースが数多く知られています。

メーカーにおける食品研究員やバイオ技術者

メーカーにおける食品研究員やバイオ技術者も、農学部を卒業した学生の多くが就く仕事の1つです。微生物の研究を行う農芸化学は作物に活用される学問ですが、社会においては飲み物や食べ物に応用できるためメーカーが必要としている知識とされています。

農家を支える農協などの農業団体

農家を経営に対する意識が強い学生は、農家を支える農協などの農業団体に就職することも少なくありません。さまざまな産業で叫ばれる人手不足ですが、農家も例外ではなく、跡継ぎがないことが問題視されています。そんな農業を盛り上げるためのサポートを行うのが、農協などの農業団体です。