大学院生の主な進路とは?
大学院を修了した人たちは、いったいどのようなところへ就職する人が多いのでしょうか。
文系の大学院生
大学院生・研究者・エンジニア専用の就職サイトであるアカリクWEBの「データからみる大学院生の就職先」によると、文系大学院生が実際に就職している業界は「教育業界」が最も多く、続いて「学術研究、専門・技術サービス業」「公務」などになっています。文系大学院生であっても、専門分野を生かせるような仕事に就いている人は多いようです。
また「医療・福祉」や「情報通信業」「製造業」など専門分野がそのまま直結するわけではなくても、「適切な方法で情報を集め、論理的に分析する」など大学院で培ったスキルを生かして専門分野以外の業種で就職する人も多いです。
東洋経済オンラインが2018年2月に公表した「大学院卒の採用数が多い」100社ランキングでは、文系大学院生を最も多く採用していたのは家具などを製造・販売している「ニトリグループ」でした。ほかにも情報システムに関わる製品、サービスの提供をしている「日本IBM」も大学院卒の学生を119名採用し、そのうち38名が文系大学院生でした。「情報処理業や製造業は理系が強い」と思われがちですが、実は文系大学院生にも就職のチャンスはあるのです。
理系の大学院生
理系大学院生は修士卒だと企業の技術職や開発職、公務員などになる人もいるようです。さらに博士課程を修了した人にはこれらの仕事に加えて、大学や公的な研究機関で研究員となる人もいます。
また東洋経済オンラインの「大学院卒の採用数が多い」100社ランキングでも「ホンダ」「川崎重工業」「ダイキン工業」「新日鐵住金」など製造業の企業が上位を占めています。この4つはいずれも大学院卒の学生を200名以上採用しており、大学卒と合わせた大学院卒の採用比率も60%を超えています。
そのほか、「建設業」「通信業」の会社もやはり理系大学院生の採用割合が多く、自分の学んだ専攻分野をそのまま社会に出ても生かせる、あるいは社会から求められている傾向が強いのが理系の大学院生の特徴と言えるでしょう。
終わりに
大学院へ進学しても、専門分野や研究をとおして培われた能力が買われる職場は多くあることがお分りいただけたかと思います。大学を卒業するタイミングで、子供がなりたい職業に就くには、大学院進学をした方が良いかどうか検討してみてください。
参考リンク
我が国の大学・大学院の現状|文部科学省
平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給|厚生労働省
2016年度に採用した研究者数およびその内訳(新卒、中途を問わず)(1)|e-Stat
研究者になるにはどうすればいいですか?|テンプR&D
「大学院卒の採用数が多い」100社ランキング|東洋経済ONLINE
大学院生の進路と就職、生活の実状を探る|全国大学生活協同組合連合会