海上保安大学校とは?偏差値や倍率、入試情報、就職先について解説

海上保安大学校とは、海上保安庁の幹部職員候補の養成を目的とした育成機関です。大学校は普通の大学とは違うというイメージですが、具体的にはどのように違うのでしょうか。

当記事では、海上保安大学校の概要、偏差値や入試情報、卒業後の就職先について解説します。

海上保安大学校とは?

海上保安大学校は文部科学省が管轄する「大学」ではなく、国土交通省が管轄する「大学校」として1951年に設置されました。高卒者を主な受験対象者とし、卒業後は海上保安官として海上保安庁に入庁するのが主な進路となっています。

教育期間は4年6カ月間(本科4年、専攻科6カ月)で、普通の大学より少し長くなっています。

本科4年では、海上保安業務の遂行に必要な知識・技能の修得を目的としていて、行政法、国際法、刑法などの法律関係の知識から、海上保安行政関係の学問を中心に行われます。第2学年後期からは、第一群(航海)、第二群(機関)または第三群(情報通信)のいずれかを選択し、海事系の専門知識を修得します。

キャンパスは瀬戸内海に面した広島県呉市にあり、毎年60名程度の幹部候補生を採用しています。

海上保安大学校の偏差値・倍率

海上保安大学校の偏差値は50です。1学部のみのため学部による違いはありません。倍率は例年4倍〜15倍となっており、競争率の高い、人気の学校と言えるでしょう。

なお、海上保安大学校の採用試験は学力に関する試験だけでなく、体力検査や面接による試験もあります。学力による試験は偏差値50より高ければ合格が可能ですが、体力や人格など学力以外の面を見られることに注意が必要です。

参考
海上保安大学校 偏差値 入試難易度|大学進学情報のゴートゥースクール/河合塾グループ

海上保安大学校の入試情報

海上保安大学校の入試は「採用試験」と呼ばれ、主に高卒者を対象に行われます。入学試験ではなく採用試験と呼ばれるのは、海上保安大学校に入学した人の身分は「公務員」となり、毎月給料が支払われるためです。2017年度試験での募集人数は60名で、2017年度は81人が合格しました。

応募資格

主に高卒者を対象としており、高校・高等専門学校・中等教育学校、卒業後2年以内の方は、受験することができます。また、採用試験であることから、国家公務員になることができない場合(日本国籍でないなど)は、受験資格がありません。加えて、体力検査があるように、視力・聴力・身長などに制限が設けられています。

・ 身長が男子157cm、女子150cmに満たない者
・ 体重が男子48kg、女子41kgに満たない者
・ 視力(裸眼又は矯正)がどちらか1眼でも0.6 に満たない者
・ 色覚に異常のある者(職務遂行に支障のない程度の者は差し支えない。)
・ どちらか片耳でも2,000 、1,000 、500 各ヘルツでの検査結果をもとに算出した聴力レベルデシベルが40デシベル
以上の音の失聴のある者
・ 四肢の運動機能に異常のある者

(引用元:受験資格等の詳細|海上保安庁公式HP

入試日程

2018年度の入試は、以下の日程でした。

試験日程 合格発表
一次試験 10月26日(土)
10月27日(日)
12月6日(金)9:00
二次試験 12月13日(金) 1月16日(木)9:00

上記のように、他の大学入試よりも早い時期に行われており、一次試験は3科目ながら、2日間に渡る「長期戦」であることが分かります。

参考
海上保安大学校|国家公務員試験採用情報NAVI

入試科目

独自の形式となっている入試つまり採用試験は、一次の学力試験と二次の体力検査・面談に分かれています。

一次試験

一次試験では、以下4つの試験が実施されます。一次試験は10月末の2日間に渡って行われ、12月上旬に合格通知を受け取ることで、二次試験の受験資格を得られます。

基礎能力試験 制限時間1時間30分の多岐選択式試験です。
公務員として基礎的な知能・知識を測る試験
学科試験 制限時間3時間の多岐選択式試験です。
数学・英語・物理または化学の3科目をまとめて考査する試験
学科試験 1教科あたり制限時間1時間20分の記述式試験です。
数学・英語・物理または化学を1科目ずつこなす試験
作文試験 制限時間50分の記述式試験です。
1題の作文問題を解く形式の試験

二次試験

二次試験では、以下4つの試験・検査が実施されます。二次試験は12月中旬に行われ、1月に最終的な合格発表が行なわれます。

人物試験 個人面談形式の試験
身体検査 胸部X線等、内科系の検査
身体測定 身長・体重・視力・聴力の測定
体力検査 反復横跳び、上体起こし、鉄棒ぶら下がりで測定する筋持久力の検査