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子供達が進学先を最終決定するのは、個々の事情により差がありますが「受験」をする学年でしょう。「受験生」になると志望校選びが急に現実的になってしまい、戸惑い悩む子供がいます。志望校を決める必要性を知ると、できるだけ早めに志望校を選ぶ心の準備ができます。そこで、志望校を決められない原因を突き止め、対策を練り、具体的に志望校を決める鍵を見つけてみましょう。
なぜ志望校を早めに決めるの?
志望校とは文字通り「進学したいと志す学校」のことをいい、つまり受験勉強の「目的」を意味します。
目的を持つということは、目的を達成するための具体的で短期的な「目標」を設定するのに役立ちます。目標とは、人が成長するためのステップです。
受験勉強において志望校を早めに決めるということは、長期的な目的を設定するということです。すると、目的達成のためには何をすべきかという、短期的に達成すべき目標である「学習スケジュール」を立てることができます。
学習スケジュールを1つ1つ達成してゆくと、目的に向かっているという実感を得ることができ、長い受験生活のモチベーションを維持し、さらに上げていくことができます。
つまり、志望校を早めに決めることで、効率の良い勉強ができ、さらには勉強のモチベーションを維持・向上するのに役立つといえるのです。
志望校が決められない原因は?
では、なぜ受験生活を乗り切るためにとても重要な志望校を決められずに悩むのでしょう。子供の悩みの原因を考えていきます。
原因1:将来の夢や職業が決まらない
中学生の進路選択に関する生徒の現状や指導の課題について、中学校の先生方からの声をもとにBenesse教育研究開発センターが情報整理し編集した「View21」に現在の中学生の進路指導での問題点が挙がっています。
- 自分の進路や生き方について関心が低く、「誰かが決めてくれる」のを待つ生徒が目立つ
- 進路や職業に対するイメージが偏りがちである
(引用元:View21|Benesse教育研究開発センター,P5 現在の中学生の課題)
受験生であるという意識が低く現実味を持って考えられない子供は、将来の夢や職業を具体的にイメージすることができずに志望校を自分の意思で決めることができないという現状が見えてきます。
原因2:学校・学部・学科などの情報を知らない
脳科学にスコトーマ(心理的盲点)という言葉があります。人は過去の強い情動記憶(固定概念)によってスコトーマが生まれ、目標を設定できないことがあります。大抵そういった固定概念は過去のネガティブな情動と結びついていることが多いのです。
スコトーマが生まれる要因は2つあります。
1:知識がない(から見えない)
2:自分にとって重要ではない(から見えない)
この2つです。
(引用元:スコトーマとは?苫米地英人に学ぶ心理的盲点の外し方!|リスタ!)
受験勉強の場合は、進学先にどんな学校があるのか、その学校ではどんなことが学べるのか、行事や部活はどういったものがあるのかなどを知らず、学校名だけしか知らない場合は進路に関する興味を向けにくくなると考えられます。
原因3:初めて進路を決めるので悩みすぎる
選択をする訓練をしてこなかった子供は、志望校選びを難しく考えすぎてしまう傾向があります。
「複数ある選択肢から適切なものを選ぶ」という行為は、ある程度の時間を掛けて訓練
することが必要であるにもかかわらず、日本の教育ではその機会がほとんどありません。
ただでさえ人生の選択には不安がつきまとうのに、選択する訓練をしていないために、不
安は限りなく広がっていくのです。
(引用元:View21|Benesse教育研究開発センター,P8 真剣に向き合い「選ぶ」経験が進路選択力を高める 京都大総合博物館准教授 塩瀬隆之)
日本の教育は新学習指導要領が2018年度から学年ごとに順次実施されることが決まっています。新学習指導要領では子供が将来の生き方について主体的に考え、働くことへの理解を深め、適切な進路選択ができるように指導することになりました。
しかし、子供は進路を考えるときに「自分がどうなってしまうのか不安になる」と感じることが多く、悩みすぎてどうしたらよいのか分からなくなることが多々あります。
原因4:自分の学力レベルを知らない
Benesse教育研究開発センターが編集した「View21」に子供の進路決定についての課題が書かれています。
- 進路希望はあるが、その目標と自分の置かれている位置との距離を正しく捉えていない生徒がいる
- 3年生で現実的な進路選択を迫られると、「入りたい高校」から「入れる高校」に安易に変更する姿が見られる
(引用元:View21|Benesse教育研究開発センター,P5 現在の中学生の課題)
行きたい進学先がありながらも、自分の学力レベルを知らないために「志望校」ではなく「希望校」にとどまっている場合があります。そのため、受験生になって現実的に志望校を決定する段になると、進路変更をせざるを得なくなり、志望校を決めることができない子供がいます。