警察官になるには?仕事内容から年収・将来性まで解説 - cocoiro career (ココイロ・キャリア)


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日本国民の安全を守るために働く警察官。警察の治安維持活動は、日本国内の犯罪だけではなく外国からのあらゆる脅威にも向けられ、私たちの気がつかないところで事件を未然に防いでくれています。そんな「日本の盾」ともいえる警察官になるためにはどうしたらよいのでしょうか。この記事では、警察官の仕事内容と警察官に向いている人の特徴をご説明した上で、警察官採用試験の受験資格や試験概要など、警察官になるための方法をご紹介します。そして、警察官に採用された後の平均給与や昇任から見る将来性についてもご説明します。

警察官になるには?

警察官は、警察法に基づいて日本国民の安全を守る公務員です。警察官は、仕事内容や管理組織の違いから、地方公務員と国家公務員の2つに分けられます。

地方公務員の警察官は、各都道府県の「警察署」に所属する警察官です。東京都の警察署は日本の政治・経済の中心地として警備の重要性が高いことから、他道府県と区別されて「警視庁」と呼ばれます。警視庁や各道府県警察署管轄の警察官になるには、地方公務員の警察官採用試験で、第一次試験(主に筆記)と第二次試験(主に面接)の2段階合格をする必要があります。

一方、国家公務員の警察官は、内閣府の「警察庁」に所属する警察官です。警察庁警察官になるには、国家公務員試験の第一次試験(主に筆記)に合格したのち、説明会への参加や警察庁訪問をした上で、第二次試験(主に面接)で警察庁の内定をもらう必要があります。

つまり、国家公務員試験は「国家職務を担う官庁に勤めるための試験」であり、入所先が最初から決まっている採用試験というわけではありません。そのため、数ある資格の中でも難関とされる第1次試験に合格したからといって、警察庁に勤務できるとは限らないという点に注意しましょう。

警察官の仕事内容

警察官の責任と義務は、警察法によって次のように定められています。

(警察の責務)

第二条 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。

2 警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない。

(引用元:第一章 総則 第二条|警察法

つまり警察官の仕事は、日本国民の安全を守ることにありますが、目的を達成する手段として職権を乱用し個人の権利を侵害することがないよう、法律で厳しく限定されています。

警察官が警察法で定められた職務を忠実に行うための手段としては、警察官職務執行法が定められています。では、具体的に警察官の仕事内容を見ていきましょう。

都道府県警の警察官(地方公務員)の仕事

この記事では、東京都の警視庁を参考にご紹介します。東京都の治安を現場で守る警視庁の職務概要は次のようになります。

【警視庁職務概要】

地域警察 交番勤務やパトロールで地域の安全を守る。
交通警察 交通事故を防止して、安全で快適な交通社会を実現する。
警備警察 機動隊やSPなどが活躍。要人警備、デモの整理、イベントでの雑踏警備、災害時の救助活動などを行う。
刑事警察 犯罪捜査で、犯人を検挙し事件解決をする。鑑識などの科学捜査も行う。
組織犯罪対策 治安水準に影響を与える暴力団や、その他犯罪組織の壊滅を目指す。
生活安全警察 防犯対策や生活安全相談を行い、犯罪の起きにくい街づくりをする。
犯罪抑止対策 オレオレ詐欺、架空請求詐欺、還付金等詐欺といった特殊詐欺対策に力を入れて、犯罪発生を抑止する。
人身安全関連事案総合対策 ストーカー・DV・虐待の被害を拡大しないよう被害者の安全を優先的に確保し、事件を未然に防ぐ。
公安警察 テロ対策やサイバー攻撃の取り締まりなどを行う。
オリンピック・パラリンピック

競技大会総合対策

東京2020大会を安全に開催するための治安維持、警備、交通取り締まりなどの調整を行う。
総務・広報 総務では予算や物品管理などで、第一線の警察活動や被害者支援を行う。広報では警察事象の報道に対応する。
警務・人事 警視庁の組織運営の管理をする。

職種紹介 令和元年度警視庁採用サイト|警視庁より筆者作成)

仕事内容は多岐に渡り、勤務は非常事態に備えて都度変更があります。

警察庁の警察官(国家公務員)の仕事

国家公務員である警察庁の警察官も、就任当初は警視庁や大規模府県警警察本部又は警察署で勤務し、地方公務員警察官と一緒に現場の仕事を学びます。その後、警察庁の役職や各都道府県警の要職につき、管理職として警察活動を行うようになります。

参考

2017警察庁パンフWEB用再|警察庁、P1~5

警察官に向いている人の特徴

一般の人たちが避けて通りたいはずの犯罪を解決し、暮らしやすい安全な社会を作るために働く警察官。警察官に向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。

都道府県警の警察官(地方公務員)に必要な特徴

犯罪の現場での活動や問題の当事者と直接対話をする警察官には、次のような特徴を持っていることが求められます。

  • 正義感が強い。
  • 規律を守れる。
  • チームワーク(組織活動)を重視できる。
  • 困っている人の相談を親身に聞くことができる。
  • 問題解決のために落ち着いてコミュニケーションをとれる。
  • 犯罪に立ち向かう機敏さと体力がある。

また、警視庁では、警察官採用試験(第1次試験)に「資格経歴等の評定」を導入しており、優れた語学力や情報処理能力、体力を兼ね備えた人材を求めています。

参考

警察官に向いている人・適性|Benesse®マナビジョン

資格経歴等の評定(警察官)|警視庁

警察庁の警察官(国家公務員)に必要な特徴

警察庁警察官も現場での仕事を学ぶため、都道府県警察官と同様の特徴を持っていることが求められます。しかし警察庁は、全国警察組織の中枢を担う中央官庁です。そのため国家レベルの警察事象を解決したり、国の政策を立案したり、治安水準を高く維持するための研究を行う能力なども必要とされてきます。よって、知能戦に強い人材を求めているため、警察庁警察官になるための試験には体力検査や身体測定はありません。

警察官になるために必要な資格

警察官の採用試験を受験するために必要な資格を見ていきましょう。

都道府県警の警察官(地方公務員)の受験資格

警視庁を参考に受験資格をご説明します。お住まいの地域の警察署ごとに採用内容の詳細が異なる場合がありますので、ご注意ください。

警視庁警察官の採用試験は年齢と学力によって、Ⅰ類とⅢ類があります。警視庁ではⅡ類の募集がありません。試験はⅠ類、Ⅲ類とも年2回実施されます。それでは受験資格を詳しく見ていきましょう。

年齢・学力

年齢は、受験する年の4月1日現在の年齢で考えます。第一次試験(筆記)の日程次第で受験資格が異なりますので、受験年の資格をご確認ください。

【2019年度警視庁採用試験の受験資格】

年齢要件 学力要件
第1回試験

(Ⅰ類のみ)

1984年5月6日以降の生まれ 大学(注1)を卒業又は2020年3月までに卒業見込み
1984年5月6日~1998年4月1日生まれ 大学卒業程度の学力を有する
第2回試験

(Ⅲ類のみ)

1984年9月10日以降の生まれ 35歳未満で高校(注2)を卒業又は2020年3月までに卒業見込み
1984年9月10日~2002年4月1日生まれ 高校卒業程度の学力を有する
第3回試験

(Ⅰ類)

1985年1月14日以降の生まれ 大学(注1)を卒業又は2020年3月までに卒業見込み
1985年1月14日~1998年4月1日生まれ 大学卒業程度の学力を有する
第3回試験

(Ⅲ類)

1985年1月14日以降の生まれ 高校(注2)を卒業又は2020年3月までに卒業見込み
1985年1月14日~2002年4月1日生まれ 高校卒業程度の学力を有する

(注1)大学とは、学校教育法による大学を指し、短期大学は除きます。

(注2)高校とは、学校教育法による高等学校を指します。

採用案内(警察官)|警視庁 令和元年度警視庁採用サイトより筆者作成)

参考

学校教育法 第五章 大学|文部科学省

学校教育法 第四章 高等学校|文部科学省

全国都道府県警察ホームページ|都道府県警察官採用案内 警察庁

身体要件

警視庁では、下記すべての身体条件を満たしていることを必要としています。

【身長】

男性:おおむね160cm以上

女性:おおむね154cm以上

【体重】

男性:おおむね48kg以上

女性:おおむね45kg以上

【視力】

裸眼視力が両眼とも0.6以上、又は矯正視力が両眼とも1.0以上

【色覚・聴力・疾患・その他身体の運動機能】

警察官として職務をすることに支障がないことが必要

ただし、障害者を対象とする警察行政職員Ⅲ類も採用していますので、障害がある方でも警察官として働くことはできます。

参考

採用案内(警察官)|警視庁 令和元年度警視庁採用サイト

採用案内(警察行政職員) 障害者を対象とする警察行政職員Ⅲ類|警視庁

警察庁の警察官(国家公務員)の受験資格

この記事では、国家公務員試験のうち、総合職に注目してご説明します。国家公務員総合職試験は年齢と学力によって、院卒者試験と大卒程度試験があります。試験はどちらも年1回実施されます。

年齢・学力

年齢は、受験する年の4月1日現在の年齢で考えます。

【2019年度国家公務員総合職試験の受験資格】

年齢要件 学力要件
院卒者試験 1989年4月2日以降の生まれ 大学院修士課程又は専門職大学院の課程を修了、及び2020年3月までに修了見込み
人事院が上記と同等資格があると認める
大卒程度試験 1989年4月2日~1998年4月1日生まれ、もしくは

1998年4月2日以降の生まれ

大学を卒業及び2020年3月までに卒業見込み
人事院が上記と同等資格があると認める

国家公務員採用 総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内|2019年度人事院より筆者作成)

身体要件

身体要件は特にありません。障害を持つ人でも採用する制度があります。

参考

2019年度障害者選考試験 職務内容等について|警察庁