受験できない人の条件(欠格条項)
警察官になるためには、日本国籍を持っている必要があります。さらに公務員共通の欠格条項があり、それは次のとおりです。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
三 懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
(中略)
五 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
(引用元:国家公務員法 第三八条 欠格条項|e-Gov)
例えば、警視庁の場合は三項に「東京都職員として」という文言が追加されることになります。
警察官になるための採用試験内容
警察官になるための採用試験は地方と国家に関係なく、第一次試験と第二次試験があります。しかし両者の試験内容は異なります。順番に見ていきましょう。
都道府県警の警察官(地方公務員)の採用試験
警視庁の採用試験は次のとおりです。
【2019年度警視庁採用試験の試験概要】
第一次試験 | 筆記試験
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資格経歴等の評定 | |
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適性検査(マークシート式) | |
第二次試験 | 面接試験 |
支障のある疾患の有無等について検査 | |
適性検査(記述式) | |
体力検査 |
(採用案内(警察官)|警視庁 令和元年度警視庁採用サイトより筆者作成)
警視庁警察官になるには、身体要件があることからも分かるように、教養があるだけではなく健康で丈夫な体が職務上必要と考えられています。
警察庁の警察官(国家公務員)の採用試験
警察庁の採用試験は次のとおりです。
【2019年度警察庁採用試験の試験概要】
院卒者試験 | 大卒程度試験 | |
第一次試験 | 基礎能力試験(多肢選択式) | |
専門試験(多肢選択式) | ||
第二次試験 | 専門試験(記述式) | |
政策課題討議試験(グループでのコミュニケーションなど) | 政策論文試験(筆記式) | |
人物試験(面接) | ||
英語試験(外部英語試験のスコアの提出) |
(国家公務員採用 総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)受験案内|2019年度人事院より筆者作成)
院卒者と大卒程度の両試験は、問題数や試験時間に差がありますが、国家の安全を守るための政策を企画・研究し、職務を全うする能力が求められています。特定の外部英語試験のスコアが試験に加算される試験がある点から、国際社会の中で日本の安全を守る能力も求められることが分かります。
警察官として現場で働くために通う学校
警察官は試験に合格すれば、すぐに警察官として仕事を始められるわけではありません。警察官としての知識や技術、そして他人を思いやる心を学ぶために、警察学校に入学することになります。警察学校での授業と訓練を経て、犯罪に立ち向かう知力・体力・精神力を養うことになるのです。
警察学校を卒業した警察官は、まず交番に勤務することから始めます。交番勤務を通じて地域交流を経験することで、警察官という職業の基礎を培います。