レポート作成のステップ②:執筆
レポートの構成を考える
テーマや内容が決まったら、書き始める前にレポートの構成を考えます。レポート構成の基本は、序論・本論・結論の3段構成です。序論においてそのレポートで述べる大まかな見取り図を提示し、本論で具体的な議論や考察を行い、最後に結論で本論の議論を再確認してまとめます。
レポートの文章は、章や節、パラグラフなどに分かれる階層構造を取ります。パラグラフとは「1つのトピックを取り扱う、議論の最も小さなまとまり」のことで、パラグラフをつないで組み合わせることで、議論を展開していきます。構成を作る段階から、すっきりとした分かりやすい階層構造を意識することが大切です。
実際に執筆する
構成ができたら、実際の執筆に入ります。読みやすいレポートを書くには、いくつかの書き方のルールやコツがあります。文章表現や言葉の使い方については、次の記事も参考にしてみてください。
レポート作成のステップ③:見直しチェック
書き上げたら終わり、ではありません。最後にレポート全体を見直し、テーマのぶれや構成上の無理がないか、表記ルールは正しいか、誤字脱字がないか、指定の書式に合致しているかなどをチェックしましょう。チェックするポイントについては、こちらが参考になります。
参考
立教大学(2018年改訂)『Master of Writing』レポートを提出する前のチェックポイント pp.23-24
いざ、試算!:あなたがレポート作成にかかる時間は
では以上のプロセスを前提に、自分ならどのくらいの時間がかかるか試算してみましょう。
リサーチと資料整理、何日かかる?
資料の収集と整理に、何日かかるでしょうか? 文献は何本くらい集めたいですか? 図書館やインターネットでの資料検索には慣れていますか? 必要な資料を揃えるのにどのくらいかかりそうですか? 例えば10ページの論文なら何分で読み、まとめられますか? 本1冊なら? 整理してみて足りない情報があった場合のために、追加のリサーチに当てる時間はどのくらい用意しておきますか?
「序論・本論・結論」その字数、何分で書ける?
立教大学『Master of Writing』では、序論10%、本論70~80%、結論10~20%と量の目安を提示しています。2000字のレポートなら序論が200字、本論が1400~1600字、結論が200~400字程度、400字詰原稿用紙に直すと序論で半枚、本論で4枚程度、結論で半枚から1枚程度です。400字詰1枚を書くのに、今までどのくらいの時間がかかっていましたか? 4枚の作文を書くのに、どのくらいの時間がかかったでしょうか。
参考
立教大学(2018年改訂)『Master of Writing』2. レポートの構成 pp.5
最終チェックと見直し、何分でできる?
最終チェックも重要なステップです。時間が足りなくなれば、見直しもそこそこに提出する羽目になるかもしれません。どのくらいの時間を見込んでおきますか?
まとめ
レポート作成のプロセスを洗い直すと、書き慣れていない人の場合、1日2日で終わるものではない、ということが分かったのではないでしょうか。どんなに慣れた人でも、それなりに時間は要します。ですが、レポート作成に何度も取り組み、資料探しの要領がつかめ、課されるテーマへの理解力が深まってくるころ、課題を前に悩まなくなっている自分に気づくのではないでしょうか。レポートが早く書けるということは、時間短縮のノウハウというよりも、何を書きたいのか、何を書くべきかが自分で明確につかめるようになる、ということなのではないかと思われます。
参考
関西大学教育推進部(2015年)『レポートの書き方ガイド(基礎篇)【改訂版】』
関西大学教育推進部(2014年)『レポートの書き方ガイド(入門篇)』
関西大学教育推進部(2015年)『レポートの書き方ガイド(発展篇)』
立教大学(2018年改訂)『Master of Writing』