子供がスマホを持つことによる問題点
子供といつでも連絡が取れる、万が一の際に居所を確認することができる、など親にとってもメリットの大きいスマホは、子供にとっても魅力のあるツールとなります。使い始めの頃は、操作に慣れずに悪戦苦闘することもあるでしょうが、子供の方が頭が柔軟なので大人が驚くほど速いスピードで上達することができるでしょう。
スマホにはさまざまなアプリやコンテンツがあり、豊富な選択肢のなかからいくつも自分の好みのものを選んで楽しむことができます。しっかりとした判断力がまだ身についていない子供にとっては誘惑が多いアイテムでもあり、さまざまな問題や犯罪に巻き込まれる可能性があります。子供がスマホを持つことによる問題点について考えてみましょう。
スマホ依存になる
中高生のなかには、スマホを片時も手放せない一種の中毒症状に似た状況に陥ってしまう子供も多くいます。友達とのLINEをすぐに返信しないだけで、関係が悪くなってしまうため、食事中であってもスマホをいじってしまうということもあるようです。それ以外にも、選択できるコンテンツやアプリがあまりにも多く、時間を忘れて没頭してしまうため、スマホを手放せないというケースもみられます。
常にスマホをいじっていないと気が済まないという状態は完全なスマホ依存なので、そうなる前に親子で約束してスマホを触ってもいい時間を決めておく必要があります。場合によっては、夜〇時以降はスマホを預かるという措置を講じることも大切でしょう。
注意力が低下する
スマホは小さなパソコンといえるほどさまざまな機能を使用することができます。過度にスマホに頼ってしまうことによって、記憶力や注意力が低下するともいわれており、やり過ぎは禁物です。また、スマホの画面に集中するあまり周囲の状況が見えなくなって注意散漫な状態になることも少なくありません。
ながらスマホが大人社会でも問題視されていますが、子供の場合、1つのことに夢中になるとほかのものが何も目に入らなくなる傾向が強いです。そのため、歩きスマホで障害物にぶつかったり、自転車やバイクと衝突事故を起こしてしまったりする可能性も高くなります。また、スマホの画面を見る首の角度が維持されることによって、頭痛やめまいなどの症状が出ることもあるので注意が必要です。
ブルーライトによる視力への影響
パソコンやスマホの使い過ぎによる視力の低下は、大人社会でも深刻な問題となっています。パソコンやスマホ、ゲーム機の液晶モニターなどから発せられる光にはブルーライトが含まれており、目や体に大きな影響を与えるといわれています。
ブルーライトは、波長が短い光であるためチリやホコリなどによって散乱しやすく、それが画面のブレやちらつきとなって表れます。目はピントを合わせるために水晶体の厚さを調整しようと毛様体筋を酷使し、目が疲れる原因になります。また、ブルーライトは高いエネルギーをもっていることから、網膜や黄斑部などに与えるダメージも大きくなり網膜や黄斑の疾患を引き起こすリスクも高くなります。
SNSなどで親が把握できないつながりができる
スマホでは、ツイッターやフェイスブック、インスタグラム、電子メール、LINE、ブログなど外部との通信、接触を簡単に行うことができます。保護者の気づかないようなところで、手軽に顔も名前も知らない相手につながることができるのがSNSの特徴でもあります。
中学生がSNSをきっかけとしてさまざまな犯罪に巻き込まれているニュースは頻繁に流れています。善悪の判断がまだ不十分な子供にスマホを持たせる危険性について保護者がしっかりと理解しておく必要があります。小学校や中学校では段階的に情報モラルやリテラシー、ネットでつながることの危険性などについての授業を行っています。しかし、授業に頼るだけでなく、保護者としてスマホを持たせた際に約束事やスマホを使うルールについて話し合っておくことや定期的にチェックすることが必要です。
ゲームやアプリの課金を勝手にされる
スマホがあれば、音楽や映像、書籍やゲームなどさまざまなコンテンツを楽しむことができ、それを利用するためのアプリのほとんどは無料でダウンロードすることができます。大人も夢中になってしまう面白いゲームもたくさんあり、ゲーム好きな子供であればどっぷりとゲームにはまってしまうことも考えられます。
ゲームのなかには最初は無料でプレイすることができても、アイテムを手に入れたり、次のステージに進んだりするために課金を要求されるものも珍しくありません。保護者が知らない間に課金が積み重なって多額の請求が来たという例も数多くあります。「アプリ・コンテンツの課金制限」を活用して子供が勝手に課金できないようにすることが大切です。