ハヴィガーストの壮年期の課題について
エリクソンの壮年期の発達課題についてご紹介しましたが、エリクソンのほかにも、アメリカ出身の物理学者・社会心理学者として活躍していたロバート・J.・ハヴィガーストが発達課題を提唱しています。ここでは、ハヴィガーストの壮年期の課題についてもご紹介しましょう。
ハヴィガーストとは?
アメリカの教育学者であったハヴィガーストは、最初に発達課題の概念を提唱しました。これは、人生の発達段階で次の段階にスムーズに移行することは、それぞれの発達課題をクリアしていくことで達成できるという概念です。ハヴィガーストの場合はエリクソンと異なり、発達段階を6つに区切っています。
各年齢ごとに向き合う発達課題は社会の文化的要請・身体的成熟・個人の価値観などから生まれており、エリクソンの場合は心的・社会的な観点から捉えているという違いがあります。ハヴィガーストの発達課題は、エリクソンと同様に日本でも浸透しています。
壮年期の主な課題について
ハヴィガーストが唱える壮年期の主な課題ですが、「乳・幼児期」「児童期」「青年期」「壮年期(成人初期)」「中年期(成人中期)」「老年期」とある中、壮年期は18~30歳ごろと、エリクソンとは少し異なります。壮年期の課題は「新たな集団をつくること」が課題として挙げられ、結婚したり子供を持ったりして適した社会集団に属することなどが挙げられます。
その後、中年期で社会的責任や次世代への引き渡し、両親のケアなどの課題があり、老年期では死を穏やかに迎えるための準備と続いていきます。人生の節目となるイベントを経験しながら精神的に成長することが発達段階で求められているといえるでしょう。
壮年期の発達課題について理解しよう
それぞれの発達段階には、発達課題と呼ばれる人生の課題があります。次世代のケアや自分自身が精神的成長を遂げることにより、発達課題をクリアすることができます。人の発達課題はいつでも見直すことができ、取り組むことができます。今回ご紹介した「壮年期」の発達課題を念頭に置きながら、自分の家族や社会と向き合ってみてはいかがでしょうか。
参考
37 子どもの発達と発達課題|一般社団法人 日本学校教育相談学会 JASCG
エリクソンの「発達段階」を知ろう。年齢別「発達課題」はクリアできてる?|こどもまなび☆ラボ
ハヴィガーストの発達理論 人の6つの発達課題とは?|そうだ!今からはメンタルだ