私立高校の学費は公立の2倍!?私立高校でも受けられる学費減免制度 - cocoiro(ココイロ) - Page 3

都道府県による授業料軽減助成金

国の就学支援金の支給限度額は、全国の私立高校の平均授業料が目安となります。しかし、東京都の私立高校の平均授業料は約45万円で、全国平均の約40万円より高くなっています。東京都のような地域による学費の差を埋めるのが、都道府県の授業料軽減助成金です。

名称や制度詳細は都道府県によって異なります。例えば東京都の場合は、東京都在住であれば他県の私立高校へ通っていても助成金を受けられますが、神奈川県で助成を受けられるのは、神奈川県在住で神奈川県内の私立高校へ通っている場合のみです。申し込みは毎年6月ごろに学校を通して行われます。時期になったら、学校や都道府県庁に問い合わせてみましょう。

参考

私立高等学校等授業料軽減助成金事業|公益財団法人東京都私学財団

私立高等学校等生徒学費補助金について|神奈川県ホームページ

授業料以外の負担軽減・奨学給付金

私立高校に通うのにかかる費用は授業料だけではありません。そのほかにも、教科書代、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費などさまざまな学校納付金があります。それらの経費の一部を、生活保護世帯と住民税非課税世帯に限り補助するのが奨学給付金です。授業料を補助する就学支援金とは異なる制度で、併用することができます。申し込みは別々に行います。

奨学給付金は名前のとおり給付型の奨学金で、返済の必要はありません。就学支援金とは異なり、学校ではなく保護者に直接給付されます。申し込みに基づいて給付が行われるため、対象者は学校やお住まいの都道府県に、忘れないように申し込みをしましょう。

参考

高校生等奨学給付金リーフレット(私立版)|文部科学省

学校による学費減免制度

政府の補助以外にも、学校による学費減免制度が適用されることもあります。ホームページにはっきりと記載されていないこともあるので、志望校に直接問い合わせてみましょう。

特待生

成績が優秀な生徒、またはスポーツや芸術に秀でた才能のある生徒は、特待生として学費の一部または全額が免除されることがあります。3年間一括免除の場合と1年ごとの更新の場合があります。1年ごとの更新の場合、一定の成績が残せないと翌年からは特待生資格を得られず、授業料を徴収される可能性があります。

奨学金

入学後に家計の急変や保護者の死亡・離別などのため、経済的に学業を続けるのが困難になった場合、学校から奨学金や学費減免を受けられることがあります。また入学前でも、経済的な理由で入学を断念しなければならない生徒を対象に、奨学金が設けられている学校もあります。

その他の奨学金と教育ローン

公的支援でカバーしきれず、学校の減免制度も受けられない場合、奨学金や教育ローンがあります

主要な奨学金制度

奨学金制度には、給付型と貸与型があります。給付型は返済の必要がないのに対し、貸与型は卒業後に返済する必要があります。在学中は無利子で貸与されます。毎月一定額が子供本人の口座に振り込まれます。

日本教育公務員弘済会

給付型と貸与型の奨学金があります。給付型の上限は50万円、貸与型の上限は1年25万、合計100万円までです。

参考

教育振興事業|日教弘 – 公益財団法人 日本教育公務員弘済会

あしなが育英会

病気、災害、自殺などで保護者を亡くしたり、保護者が障害を負っている子供に対して、給付と貸与混合型の奨学金を交付しています。

参考

奨学金について|あしなが育英会

交通遺児育英会

交通事故で保護者が亡くなるか、重度の障害を負った子供を対象に、貸与型の奨学金を交付しています。

参考

奨学金を希望される方|公益財団法人 交通遺児育英会

主要な教育ローン

教育ローンは、金融機関から保護者に貸与される教育資金で、保護者の口座に一括で振り込まれます。借りたときから利息が発生し、翌月から返済しなくてはなりません。

国の教育ローン

固定金利で借りられ、受験費用、パソコン購入費、海外留学などを含む幅広い教育資金ニーズに対応しています。

教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫

JAバンク

在学中は元金の返済を据え置き、卒業後から返済することも可能です。

参考

教育ローン | JAバンク

まとめ

日本の義務教育は小中学校の9年間のみですが、高校への進学率は通信制も含めると98%に上り、中学卒業者のほぼ全員が高校へ進学します。しかし、どの高校に行くかに関しては、今まで費用負担が選択の幅を狭める要因となっていました。2020年度からついに私立高校の実質無償化が始まり、家庭の経済的状況に関係なく学校を選択できる環境が整ってきました。費用面でも、高校の実質義務教育化が進みつつあると言えるでしょう。

参考

高等学校等就学支援金制度|文部科学省

高校生等への修学支援リーフレット|文部科学省

高校生等奨学給付金|文部科学省

高校生等への修学支援|文部科学省

子供の学習費調査-調査の概要|文部科学省

結果の概要-平成28年度子供の学習費調査 2.調査結果の概要|文部科学省

高校や大学などへの入学金や授業料などの負担を軽減! 「国の教育ローン」がサポートします。 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

高校3年間の学費は公立と私立で2倍の差!奨学金探しのポイント | ZUU online

奨学金と教育ローンとの違い|奨学金.net

高校生がもらえる給付型奨学金と貸与型奨学金|奨学金.net

私立高校を選べる奨学金・特待生制度 | インターエデュ・ドットコム

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Sachiko

海外在住20余年、子育て・教育ライター。明治大学政治経済学部卒業。中国へ2年間留学。中国北京の日系広告会社で営業マネージャー。 結婚・出産後、北京で専業主婦。夫の転勤に同伴したフィジーで、アジアの女性のためのソーシャルグループ代表を務め、文化交流イベントを企画運営。2018年より、インド・デリー在住。ライターとして活動を始める。中国語HSK6級。TOEIC945点。中国生まれ、フィジー育ち、デリーで思春期を迎えた1人息子の母。 中国時代から共に過ごす老犬の介護中。