私立小学校の編転入試験内容
私立小学校の編転入といっても、学校は違えど同じ学年に編転入するのですから、これまで学習したことがしっかりと理解できていれば合格すると思われるでしょう。実は、そう簡単な話ではありません。なぜなら、編転入試験は志望校の授業内容に難なくついていける学力があるかどうかを測る試験だからです。そこで、編転入試験の一般的な内容を知っておきましょう。
一般的な編転入試験
一般的な編転入試験には筆記試験と面接試験があります。それぞれの試験内容と対策を簡単にご説明しましょう。
1:筆記試験
筆記試験の教科に、国語と算数を選択する私立小学校がほとんどです。私立小学校は独自のカリキュラムにより長期教育期間内で計画的かつ体系的に授業を進めていますので、公立小学校の学習指導要領以上に学習が進んでいます。そのため、実施される学年と同レベルの学力では合格することが難しいのが現状です。
また、学年が上がるにつれて公立小学校との学習進度の差が開くので、試験の難易度が高くなる傾向にあります。
つまり、編転入試験を受ける場合は、志望私立小学校の学習進度に合わせた学習を行っておく必要があります。
2:面接試験
面接の形式は、親子で行う場合や親のみが行う場合など、学校によって異なります。受験校の面接形式を調べておきましょう。
面接では、親御さんが志望校の教育理念に共感しているのはもちろんのこと、お子さん自身が志望校に入学して学習したいという強い意志があるかどうかが重要になります。
不登校児童であったり、ほかの私立小学校から編転入を希望する場合は、事情について尋ねられる可能性が高いため、しっかりと答えられるよう準備をしておきましょう。
特別な編転入試験
私立小学校は学校ごとに建学の指針がしっかり決まっているため、学校の目指す育成にふさわしい子供であるかを見極めるのも編転入試験の目的の一つになっています。そのため、一般的な筆記や面接以外にも特別な試験を行う学校があります。
作文
テーマに沿った作文を書く試験です。子供の語彙力や表現力、文章構成力を測ることができます。
行動観察
共同作業やディスカッションなどを行って、集団行動の中での立ち振る舞いを測ります。コミュニケーションを取りながら、初めての環境で周囲の子供と協力して行動できるかどうかが試されます。
そのほか、リズム感覚や運動能力を測る試験を行う学校もあります。
私立小学校へ編転入するために親ができること
通いたい私立小学校があったとしても、受験できる確証がないため対策をしづらいのが編転入試験の難しいところです。では、不安定な編転入試験を希望する場合に親としてできることとはいったいなんなのでしょうか。
私立小学校の編転入情報サイトを常に調べる
私立小学校の編転入試験は、欠員補充のための試験です。そのため、急な欠員が出たときにすぐに対応できるよう、常に学校のホームページを確認する必要があります。以下の「参考」のように編転入試験の実施状況のまとめたサイトもありますので、ご興味のある方は日々のチェックを怠らないことをおすすめします。
参考
首都圏版(東京・神奈川・千葉・埼玉)私立小学校 編入試験情報|お受験インデックス
私立小学校に編入するための専門塾に通わせる
独自のカリキュラムが魅力の私立小学校ですが、編転入試験でもその独特の学習進度に合わせた内容が問われるため、学校ごとの編転入に専門的に対応する塾に通うことをおすすめします。進路指導などの対策もしっかりしているため、倍率の高い編転入試験を受ける場合は心強い味方になってくれます。
家庭での学習をサポートする
まだ小学生ですので、学習習慣が身についていない子供もいます。また、子供自身が受験したいと言っていても、編転入試験に実感をもって臨める子供は多くないでしょう。そのため、親御さんの家庭での学習サポートは必ず求められます。
ここで、共働き世帯は私立小学校に不利だという意見もあります。しかし、国の女性の活躍を推進する働き方改革の後押しもあって、現在では私立小学校に子供を通わせる共働き世帯も増えています。家庭の労働環境が受験の合否に大きな影響を与えることはありません。
大切なのは家庭の労働環境ではなく、子供の教育に熱心に取り組む家庭環境を築けているかどうかです。仕事や家事が忙しいからといって子供に関わらないことが問題視されるのです。そのため、親御さんが我が子の問題解決に一緒に取り組む姿勢があるかどうかが合否に影響すると考えられています。
まとめ
我が子が編転入するということは、現状に満足していないためでしょう。不満の程度に大なり小なりあれど、環境を変えたいと願って行動するのは簡単なことではありません。
特に受験できるかどうか分からない編転入試験は、倍率にかかわらず、取り組むこと自体が難しい試験です。
しかし、やると決めた場合は親子二人三脚で取り組めば必ず道が拓けることでしょう。お子さんと新しい未来を歩めることをお祈りしています。
参考
Q.編入募集人員の若干名とは何名でしょうか?|クレアトゥールひなの会
Q.私立から私立に実際に編入することができるのでしょうか|クレアトゥールひなの会
私立小編入という選択肢 過酷な中学受験より得?|日経DUAL
【1952943】私立小編入について(2010.12.15)|インターエデュ
【不登校】転校するにはどうすれば?必要な手続きと転校するメリット|Riz
【2127679】私立小からの編入(2011.5.14)|インターエデュ