葉酸欠乏症の原因
葉酸が極端に少なくなる葉酸欠乏症ですが、このような状態に陥ってしまうにはどんな原因が考えられるのでしょうか……。ここでは3つの考えられる原因についてご紹介します。
栄養バランスの取れていない食生活
葉酸を多く含む生の葉野菜やかんきつ類をきちんと摂れていないバランスの悪い食生活を送っている場合も、葉酸欠乏症になるリスクは高まります。同じ食品ばかりを食べたり、あまり食事を取らない過激なダイエットなどが原因の場合もあります。
アルコールの多量摂取
アルコールの多量摂取は葉酸の吸収を妨げます。またアルコールをよく飲む人は、食事をきちんととっていないことも多く、基本的に栄養バランスの取れていない食生活を送っている可能性が高いため、十分な葉酸を摂取している状況とはいえません。
持病により服用している薬
もともと治療をしている病気に関する薬が原因で葉酸の吸収を妨げてしまっているケースもあります。
多くの抗けいれん薬(フェニトインやフェノバルビタールなど)や、潰瘍性大腸炎の治療に用いられる薬(サラゾスルファピリジンなど)は、この葉酸の吸収を低下させます。がんや関節リウマチの治療に使うメトトレキサート、高血圧の治療に使うトリアムテレン、糖尿病の治療に使うメトホルミン、抗菌薬のトリメトプリム-スルファメトキサゾールは、葉酸の代謝を妨げます。
(引用元:葉酸-11.栄養障害|MSDマニュアル家庭版)
また、吸収不良を起こす病気(セリアック病)などにかかっている場合は、葉酸の吸収ができない状態になるため、葉酸欠乏症になるリスクを抱えています。
葉酸をきちんと摂取する方法は?
妊娠中の女性もそれ以外の方も、葉酸は必ず摂取しなければいけない栄養素です。通常の食生活で十分な葉酸を摂取できない場合、どんな方法があるのでしょうか。
サプリメントの経口摂取が有効
妊活中・妊娠中の女性が葉酸を通常より多く摂取しなければいけないことは、多くの研究で明らかになっています。葉酸が不足することで胎児に大きな影響を及ぼすことが分かっているからです。
妊娠を計画している女性に望ましい葉酸の量は1日400μg、妊娠している女性は440μgとされています。葉酸400μgを摂るには、ほうれん草なら約200g必要になり、これは1把分に相当します。水・熱・光に弱い葉酸を野菜から十分に摂取するのはかなり困難なはず。調理法や献立に気を配りつつ、不足分をサプリで補うという方法が有効であるといわれています。
葉酸を多く含む食品を積極的に摂る
葉酸を多く含む食品はたくさん種類があります。
- えだまめ:320μg(ゆで:260μg)
- モロヘイヤ:250μg(ゆで:67μg)
- 干し椎茸:240μg(ゆで:44μg)
- パセリ:220μg
- ほうれん草:210μg(ゆで:110μg)
- アスパラガス:190μg(ゆで:180μg)
- 焼きのり:1,900μg
- 味付けのり:1,600μg
- わかめ(乾燥):440μg
- 青のり(乾燥):260μg
- 昆布(乾燥):170μg
- きなこ:250μg
- 大豆(乾燥):230μg
- 小豆(乾燥):130μg
- 納豆:120μg
- そら豆:120μg
- ライチ:100μg
- イチゴ:90μg
- アボカド:84μg
- マンゴー:84μg
- うなぎ(肝):380μg
- たたみいわし:300μg
- 鶏レバー:1,300μg
- 牛レバー:1,000μg
- 豚レバー:810μg
- フォアグラ:220μg
参考
のりやレバーの含有量の多さに驚きますが、どれも簡単に手に入るものばかりです。きなこなどはヨーグルトや牛乳と一緒に摂取すると吸収率が上がります。好き嫌いもあると思うので、自分の食べやすい物を選んで積極的に摂るように心がけましょう。
まとめ
葉酸は母体や胎児の健康を考えたときに欠かせない栄養素です。本来なら食事から摂取できるのが望ましいですが、つわりなどで思うように食事が取れないことなどもあります。そんなときはサプリメントを利用し、有効に葉酸を摂取するようにしましょう。
何よりも大切なのは規則正しい生活と、バランスの取れた食事です。妊娠を望む方も現在妊娠中の方も、無事に出産が迎えられるよう、できることを少しずつでもやっておく必要があります。
参考