ビタミンAが多く含まれる食品は?効果的な調理法やレシピも紹介! - cocoiro(ココイロ)

ビタミンAは、人間の体にとって大切な役割を果たす栄養素です。肉や魚、野菜、果物など、さまざまな食品に含まれています。この記事では、ビタミンAを豊富に含む食品をピックアップして紹介します。ビタミンAに関する基礎知識やビタミンAを逃さないための効果的な調理法、ビタミンAがたっぷり摂れるレシピも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

知っておきたいビタミンAの基本

まずはビタミンAの基本的な知識について確認しておきましょう。

ビタミンAの主な働き

ビタミンAには、皮膚や粘膜を正常に保つ役割があります。以下、ビタミンAの主な働きをまとめました。

  • 髪の毛や爪、肌の健康を維持する
  • 口内炎や喉の腫れを防ぐ
  • 喉や鼻の粘膜を正常に保つことで、細菌やウイルスへの抵抗力を維持する
  • 暗い場所でも時間の経過とともに眼を慣らす機能(暗順応)を保つ
  • 心臓や肺、胃、腎臓などの臓器が適切に機能するのを助ける

ビタミンAが足りないとどうなる?

ビタミンA不足でビタミンA欠乏症になると、眼球の乾燥や骨や歯の発育不良、皮膚や粘膜の角化など、さまざまな体への悪影響が出てきます。なかでも代表的なものは、夜盲症という眼の病気です。鳥目(とりめ)などとも呼ばれます。夜盲症になると、まず暗いところでの視力が失われ、さらに症状が進むと失明にもつながります。

ビタミンAは多くの食品・食材に含まれており、現代の日本で欠乏症になることはほとんどないといわれていますが、途上国では欠乏症になる子供が珍しくありません。

過剰摂取に注意

ビタミンAは摂り過ぎても良くありません。過剰摂取することで、吐き気や頭痛、発疹、下痢、めまい、昏睡などの症状が出ることが知られています。

特に妊娠中の女性は過剰摂取に注意が必要です。ビタミンAの過剰摂取による胎児への悪影響が報告されています。毎日大量のレバーを食べるなど、極端に偏りのある食生活をしていない限り、普段の食事からビタミンAを摂取し過ぎてしまうような心配はありません。ただし、妊娠中は高用量のサプリメントなどは避けることが推奨されています。

なお、β-カロテン(ベータカロテン)などの体内でビタミンAに変化するカロテノイド(※)は、不必要な分を体内でビタミンAに変換しない性質があるので、大量に摂取してしまっても健康に害を及ぼすことはないとされています。肌が黄色くなるなどの変化はありますが、健康上問題はありません。β-カロテンは人参などの緑黄色野菜に多く含まれています。

※カロテノイドとは、自然界に存在する黄色やオレンジ、赤色などを示す色素のことです。

参考

ビタミンAの過剰摂取による影響|食品安全委員会

体内でビタミンAに変換されるプロビタミンAとは

ビタミンAには、主に動物性食品から摂取される「レチノール」と、主に野菜や果物から摂取される「カロテノイド」があります。カロテノイドは体内でビタミンAに変換されるため、「プロビタミンA」(ビタミンAの前駆体)と呼ばれます。

人参などの緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変換されるプロビタミンAに分類されます。プロビタミンAには、β-カロテン以外に、α-カロテン(アルファカロテン)、γ-カロテン(ガンマカロテン)、クリプトキサンチンなどがあります。

ビタミンAの量を表すレチノール活性当量(μgRAE)について

ビタミンAは、レチノール活性当量(μgRAE)という値で表されます。レチノール活性当量とは、「レチノールの量」と、「カロテノイドが体内でビタミンAとして作用する量」との合計です。

レチノール活性当量は、以下の式によって算出されます。

レチノール活性当量(μgRAE)=レチノール(μg)+ β-カロテン(μg)× 1/12+α-カロテン(μg)× 1/24 + β-クリプトキサンチン(μg)× 1/24 + その他のプロビタミンAカロテノイド(μg)× 1/24

(引用元:日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会 各論 ビタミン(脂溶性ビタミン)|厚生労働省, P165

一見すると難解に思える計算式ですが、「体内でビタミンAとして作用する値の合計」ということだけ理解できていれば十分です。