カルシウムを上手に補う食生活
成長期の子供は、生涯にわたって健康を左右するカルシウム貯金をなるべく増やしておく必要があります。では、どのような食生活が、カルシウムを上手に摂取できるのでしょうか。
よく食べ、よく寝て、よく遊べ
カルシウム摂取で何より大切なのは、子供の生活の基本「よく食べ、よく寝て、よく遊べ」です。まずは、3食を欠かすことなく食べること。不足しがちなカルシウムは、1日3度の食事の機会のたびに摂取しなくてはなりません。忙しいからといって朝食を抜いてしまうと、貴重なカルシウム摂取の機会が奪われてしまいます。
牛乳、チーズ、ヨーグルト、納豆などは、調理なしですぐ食べることができ、忙しい朝でも毎日続けやすい食材です。乳製品や大豆食品は、カルシウムだけでなく良質なたんぱく質も豊富に含まれています。朝食にパンやごはんなどの糖質とともにたんぱく質を取ると、集中力が高まることが分かっていますから、ぜひ毎朝取り入れるようにしましょう。
睡眠や運動も、カルシウムの沈着には欠かせません。カルシウムが骨に沈着するのは、成長ホルモンが分泌される夜間です。成長ホルモンがしっかり分泌されるよう、質のよい十分な睡眠を取りましょう。また、適度な運動で骨に負荷をかけることも大切。カルシウムの沈着が促されます。子供が小さい間は少なくとも1時間は外遊びをさせましょう。子供が大きくなってきたらスポーツをするなど、体を動かす習慣作りをしましょう。
カルシウムの多い食材を選ぶ
普通に食事しているだけでは、カルシウム不足になってしまうことがあります。なぜなら、カルシウムはどの食材にもまんべんなく含まれているわけではないからです。カルシウムは一部の食材に含まれているものですから、カルシウムが多く含まれている食品を意識的に選ばなくてはなりません。
カルシウムが多く含まれている食品は、大きく分けて以下の5種類です。
- 乳製品:牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
- 小魚:ワカサギ、イワシ丸干し、しらす、干しエビ、ししゃもなど
- 大豆製品:豆腐、豆乳、油揚げ、納豆など
- 海藻:ひじき、わかめなど
- 野菜:小松菜、モロヘイヤ、菜の花、チンゲン菜、いりごま、切り干し大根など
吸収率を高める栄養素と一緒に摂る
ビタミンD
ビタミンDは、腸からカルシウムを吸収し、血液中のカルシウムを骨まで運ぶ役割があります。ビタミンDは、青背の魚やサケ、干しシイタケなどに多く含まれている他、紫外線を浴びることで体内で生成することもできます。
ビタミンK
ビタミンKは、カルシウムが骨に沈着するのを助け、尿中に排出されるのを防ぎます。ビタミンKが豊富な食材は、納豆、ひじき、ほうれん草、ブロッコリーなどが挙げられます。
マグネシウム
マグネシウムは、骨に入るカルシウムの量を調節します。カルシウムとマグネシウムは、2対1の比率で摂るようにしましょう。マグネシウムの豊富な食品は、アーモンド、ひじき、納豆、サツマイモなどです。
たんぱく質
骨は、70%がカルシウム、20%がたんぱく質、10%が水分で作られています。丈夫な骨を作るためには、カルシウムだけでなくたんぱく質も必要です。
ダイエットやスナック菓子はカルシウムの敵
ダイエットで食事量を減らすと、カルシウム摂取量まで減らしてしまう恐れがあります。骨量を増やさなくてはならない成長期には、医師や栄養士の指導に基づかない、健康を保ちながら成果が出る根拠のないダイエットは控えた方がいいでしょう。
また、スナック菓子やインスタント食品には、リンが多く含まれています。リンも、骨を作るサポートをしている栄養素ですが、取りすぎると逆にカルシウムの吸収を阻害してしまいます。リンは幅広い食品に含まれているため、自然と体内に取り込まれています。リンを過剰摂取しないよう、スナック菓子やインスタント食品はなるべくなら避けましょう。
サプリメントではなく食品から
カルシウム不足を手っ取り早く解消するため、サプリメントでカルシウムを補う人もいます。しかし、食事からカルシウムを摂取した上で、さらにサプリメントを飲むと、カルシウムを過剰摂取してしまう恐れがあります。
カルシウム不足が恐ろしい結果を招く可能性があることは前述した通りですが、カルシウムの過剰摂取も同様に恐ろしい結果を招く可能性があります。食品から摂取している限り、過剰摂取を心配する必要はほとんどありません。医師などの指導がある場合を除き、カルシウムはサプリメントからではなく食品から取るようにしましょう。
まとめ
カルシウムは、丈夫な骨を作るだけでなく、私たちの命を支える大切な栄養素です。子供がしっかりとカルシウムを取れるよう、今日の献立を考える際は以下の3点を思い出してください。
- カルシウムの多い食材を選ぶ
- 吸収率を高める栄養素と一緒に摂る
- インスタント食品や加工食品はなるべく使わない
特に子供の時期は、カルシウムを豊富に取っておくべき大事な時期です。食材を慎重に選びながら、子供にカルシウム豊富な食事を取り入れてあげてください。
参考
筋肉を動かす鍵はカルシウム(市報のだ1月15日号掲載)|野田市
カルシウム・パラドックスに注意不足が招く過多、心疾患の背景に|医療ニュース トピックス|時事メディカル
どうカルシウムをとればよいの? | 公益財団法人 骨粗鬆症財団
イライラはカルシウム不足? カラダと栄養| 社会福祉法人 恩賜財団 済生会
カルシウム不足を解消して高血圧や動脈硬化を予防する | はじめよう!ヘルシーライフ | オムロン ヘルスケア
子供の成長とカルシウムの関係|カルシウムが多い食品を食べさせるには?|スクスクのっぽくん