【高卒認定試験のすべて】試験概要・攻略法・合格後の進路について - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

何らかの理由で高校を卒業できなかった生徒が、進学やキャリアを考える場合、高校生活をやり直さなくても高卒認定試験を受けるという方法があります。合格すると高卒程度認定資格が得られ、高校を卒業した人と同等以上の学力があると認められます。高卒認定試験とはどのような試験か、試験を受けるにはどうすればよいか、合格後にはどのような進路があるかを見ていきましょう。

高卒認定試験とは

高卒認定試験とはどんな試験か

高卒認定試験とは、文部科学省が実施する国家試験で、正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」。合格すると、大学や国家試験などの受験資格が得られ、進路の選択肢が大きく広がります。

以前は、大学入学資格検定(大検)と呼ばれていましたが、2005年に大学受験だけにとどまらず、国家試験受験資格などにも使えるよう制度改定され、現在の高卒認定試験となりました。

高校卒業と高卒認定試験合格の違い

高校と高卒認定試験の大きな違いは、まず、学校に在籍するかどうかです。高校の場合は、全日制・定時制・通信制のいずれかに3年以上在籍する必要があるのに対し、高卒認定試験は学校に在籍する必要はありません。高卒認定試験は、取り組み方次第では1年以内の受験勉強で合格することもできます。

もう一つ大きな違いは、最終学歴です。高校を卒業した場合、それ以上進学しなかった場合の最終学歴は高卒になりますが、高卒認定試験に合格しそれ以上進学しなかった場合は、最終学歴が中卒になります。履歴書の学歴欄には、「○○中学校卒業」と書いた上で、「高等学校卒業程度認定試験合格」と記入することになります。

合格率と難易度

2018年度の高卒認定試験の合格率は43%でした。この合格率だけを見ると、とても難しい試験のように感じます。しかし、1教科以上の試験に合格した人の割合は89%に上ります。実際に出題される内容は、中学から高校1年生までに習う内容が大半を占めています。高校1年生までの内容を着実に学習できていれば合格できるでしょう

合格率を下げているのは、試験の難易度よりむしろ試験科目の多さが要因でしょう。高卒認定資格を得るには、8~10科目の試験に合格しなくてはなりません。

参考

平成30年度第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について|文部科学省

高卒認定試験の受験資格・試験日程・科目

受験資格

年度の終わりまでに満16歳以上になる人、つまり高校1年生に当たる年齢以上の人に受験資格があります。高校を中退した人、高校に進学しなかった人、高校に在籍中の人、外国人など誰でも高卒認定試験を受けることができます。ただし、高校を卒業するなどしてすでに大学受験資格を持っている人は、受験することができません。

試験日程

年に2回、8月と11月に試験が実施されます。試験日程は2日間にわたります。2019年は、8月6日(火)と7日(水)に第1回が実施されました。第2回は、11月9日(土)と10日(日)に実施されます。

【2019年高卒認定試験の試験日程と時間割】

(参照元:試験期日・時間割|文部科学省

試験科目

試験教科は、国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語の6教科です。そのうち、国語・数学・外国語(英語)は必修科目。地理歴史・公民・理科に関しては、教科ごとに1~3科目を選択して受験します。高卒認定試験合格に必要な受験科目数は8~10科目になります。合格に必要な科目数を超えて受験することはできません。どの科目を受験するかは慎重に選ぶ必要があります。

【高卒認定試験の試験科目】

(参照元:平成28年度高等学校卒業程度認定試験 試験科目・合格要件・出題範囲|文部科学省