クリスマスリースに使われる材料の意味
クリスマスリースに祈りを込めるために、使われる材料の一つひとつにも意味がありました。クリスマスリースの祈りを踏まえて見ていきましょう。
モミの木
モミは、マツ科モミ属の常緑針葉樹です。モミの木は、寒い雪の日であっても葉が枯れて落ちることなく青々と生い茂っています。厳しい環境下でも変わらずに生き続ける生命力の強さを感じさせるモミの樹木の立ち姿から、ラテン語ではアビエス(abies)、つまり「永遠の命」と名づけられています。
そのため、モミの木は神からの愛や救いが永遠に続くことや、神々の永遠の存在を意味しています。
赤色のヒイラギの実
イエス・キリストは人の世で最期を迎えるとき、犯したすべての罪から人類を解放するために自ら身代わりとなって十字架にかかったとされています。赤色のヒイラギの実は、イエス・キリストがこの受難で流した赤い血を意味しているという説があります。
また、赤色は太陽の恵みや農作物の豊穣を意味しているとも言われています。
モミ・マツの尖った葉やヒイラギのギザギザした葉
イエス・キリストは十字架にかかる際に茨の冠を頭に載せていたと言われています。セイヨウヒイラギのギザギザした葉がイエス・キリストの受難を連想させるため、イエス・キリストの降誕を祝うクリスマスの祝祭に使われるそうです。
また、マツやヒイラギのような常緑樹は年間を通して緑を保ち続けるので、太陽の復活を保証するものとして崇拝されていたようです。そのため、農作物の豊穣を意味しているとも言われています。
リボン
装飾品は元々「人の体に悪魔や悪霊が入り込まないように」という意味合いから身につけるようになったと言われています。そのため、古代では紐で結び目を作って魔除けのおまじないとして使われていました。
また、リボンは紐を環状に結んだものなので、約束を意味するモチーフでもあります。
鈴(ベル)
古くからベルの音は、悪魔や悪霊を追い払い、災いを人々から遠ざけるための魔除けの意味があると言われています。
また、ベルは礼拝の開始を告げる合図や儀式の道具としても使われ、キリスト教徒にとって祈りを捧げるのに必要なものの一つとして大切にされています。
松ぼっくり、姫リンゴ、ぶどうのつる
リースにつけられる果実や植物は、神へのお供え物を意味しています。松ぼっくりは魔除けや永遠の命を象徴するマツにできる果実のような物という意味があり、リンゴは寒い冬に収穫できる栄養価の高い食物として来年度の農作物の豊穣への祈りが込められていると言われています。
クリスマスリースに使われる色の意味
クリスマスリースの材料に意味があるように、クリスマスの飾りつけに使われる色にも本来意味があります。クリスマスカラーのもつ意味を一つひとつ見てみましょう。
緑
枯れ雪の降り積もる厳しい環境下でも植物が青々と色鮮やかに映える緑色には「永遠の生命」や「神の永遠の愛」、「強い生命力」という意味が込められています。
赤
イエス・キリストの受難で滴った血の色を連想させる赤色は「神の無限の愛(アガペー)や寛大さ」を意味しています。
白
クリスマスが祝われる12月の雪を連想させる白色は「潔白、純粋な心」を意味しています。
金や銀
金色や銀色はベツレヘムの星を連想させる色です。ベツレヘムの星とは、聖書において東方三賢人にイエス・キリストの降誕を知らせて、出会いまで導いたとされる宗教的にとても大切な星です。そのため、金色や銀色は「希望」や「気高さ」を意味しています。
そのほかに、金や銀は貨幣価値の高さから「富」や「豊かさ」を意味するとも言われています。