小学校3年生になると初めて割り算を習いますが、この学年で習うのは九九で割り切れる数の計算です。しかし、4年生になると、筆算を使って計算する割り算が出てきます。九九ができるのは大前提となり、さらに足し算や引き算も使いながら計算しなければなりません。だからこそ、答えがすぐに出ず難しいと感じてしまいます。今回の記事では、割り算の筆算の考え方と解き方をご紹介します。
もくじ
割り算の筆算が難しい理由
小学校では四則演算を習います。習う順番は、足し算、引き算、掛け算、割り算です。算数は
積み重ねの学習だというように、割り算をいきなり学習しても、足し算、引き算、掛け算ができなければ割り算はできないのです。ここでは、割り算が難しいと感じてしまう理由を3つに分けて解説します。
これまでのやり方が通用しない
先ほども触れた通り、割り算は足し算、引き算、掛け算を全て使う必要があります。しかし、割り算の筆算は、これまでとは全く違ったやり方になります。算数は、これまで学習した内容を使って新しい問題を解くことが多いですが、割り算の筆算ではそれが通用しません。例えば、下記の割り算の問題を筆算にしてみます。
問題:74÷3
筆算にした割り算の問題を、3÷74と読む子供もいます。算数では、左から右に読むのがこれまでの学習の常識だったからです。そのため、まず式を立てることに難しさがあります。
また、答えが下ではなく、上に出るということもこれまでの筆算とは異なります。
答え:74÷3=24あまり2
この問題の答えは、「24あまり2」ですが、答えを「2あまり24」と答える子供が出てきます。これは、これまでの足し算や引き算、掛け算の筆算をイメージしてもらえれば分かりやすいでしょう。これまでの筆算では、答えは必ず一番に下にくる数字でした。
さらに、計算する順番も異なります。これまでは、小さい位から順番に計算してきましたが、割り算では大きな位から計算していきます。上記の問題で言えば、十の位の「7」から先に計算をしていくということを子供に理解させましょう。
足し算、引き算、掛け算をすべて使う複雑さ
わり算をするには、足し算、引き算、掛け算を全部使います。まず、商に見当を付けるときに九九を使います。具体的に下記の問題で考えると、「7」の中に「3」がいくつ入るかと見当を付けるのです。
「2」と見当を付けたら、「2×3=6」と掛け算をします。
次に、「7-6=1」と引き算をします。
さらに、一の位の「4」と十の位の「1」を足し算します。
この後も、「見当を付ける」「掛け算する」「引き算する」「足し算する」の繰り返しです。位が多い計算ほど、子供は複雑さを感じるでしょう。
商の見当を付ける難しさ
商の見当を付ける難しさもあります。見当を付けるには、3年生で学習する九九を使い、割り算の基礎がスムーズにできるようになっている必要があります。例えば、「12÷4=3」のような問題です。
数字が1桁であれば比較的簡単ですが、2桁、3桁と大きくなっていくと、商の見当を付ける試行錯誤に時間がかかってしまい、計算を途中で諦めてしまうこともあります。「見当を付ける」という言葉の通り、たくさんの問題に出会う中で、経験を積むことが大切です。