文化祭ポスター、大切なのはデザイン力。実例を見ながら作ってみよう ( 2 )

ポスター作りのコツ、大切なのはデザイン力!

人気のあるデザインを見ると、「やっぱり画力が必要なのでは…」と思えてくるかもしれません。しかし、ポスターには目を引くキャッチーさ以上に、必要なことを的確に伝える情報量が必要です。それにはデザイン力が大切。どうすればデザイン力を上げることができるでしょうか。上記で見たポスターを例に考えてみましょう。

5W1Hをしっかり考える

まずはポスターで伝えたい文字情報を確認します。一般的には「5W1H」を確認すればいいと言われています。5W1Hとは以下の通りです。

  • Who:誰が
  • When:いつ
  • Where:どこで
  • What:なにを
  • Why:なぜ
  • How:どうやって

文化祭のポスターに当てはめて考えてみましょう。

  • Who:〇〇学校が
  • When:〇年〇月〇日(〇曜日)〇時〜〇時
  • Where:学校(もしくはその他の会場)
  • What:文化祭
  • Why:みんなに来てほしいから(校内に周知したいから、地域の人と交流したいから、なども可)
  • How:入場無料・有料、入場の時間制限あり・なしなど

この文字情報をどうやって使うのかは、下記で改めて説明します。まずは5W1Hに沿って必要なテキストを集めましょう。

(出典:kanagaku | Pinterest)

こちらは5W1Hの情報を過不足なくバランス良く配置した一例です。

(出典:kanagaku | Pinterest)

文化祭の中の1つの部門だけを切り出してポスターにした例です。学校の規模が大きかったり、催し物の種類が多かったりする学校はカテゴリごとにポスターを複数作るのもいいでしょう。

版面・マージンを決めよう

続いては「版面(はんめん)」と「マージン」に関する知識です。版面とは、文字や画像を入れていいスペースのことです。一方のマージンとは何も置かないスペース、つまり余白のことです。

(出典:kanagaku | Pinterest)

こちらのポスターは余白の上に文字を置いているように見えますが、文字情報の端を版面と考えると、一番外側に何も要素のないマージンがあることが分かります。

手書きの絵から作るポスターでは、絵をマージンなしで用紙いっぱいに描くことも少なくありません。これは「裁ち落とし」といい、商業デザインでもよく使われる手法です。

前面にビジュアルが入っていることでインパクトが出ますが、余白が少ない画面は情報量がとても多く感じられます。散漫な印象になって文字情報が読み取れないと本末転倒ですので、その場合はバランスを見ながら文字情報の版面をしっかりと考える必要があります。

グリッドで考えるとレイアウトがしやすい

文字情報をそろえてみると、意外と量が多くて驚くかもしれません。これをどう配置すればいいんだろう……と悩むときは、グリッドの考え方を取り入れてみてください。

グリッドとは、方眼紙などに見られる格子のことです。文字情報をそれぞれグループにして考え、上下左右いずれかの端がグリッドに沿うようにします。

情報をそろえると見やすくなりますし、どこにどうやって入れ込めば全ての情報がすっきり収まるのかも分かりやすくなります。実際に手描きした絵にグリッドを書き込むことは難しいので、スマートフォンなどで写真に撮ってアプリで加工してみるといいでしょう。

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(出典:kanagaku | Pinterest)

こちらは文字情報が白いテキストボックスに入っているため、グリッドが分かりやすくなっています。テキストボックスを使う場合は、テキストボックス自体をグリッドに沿うように配置しましょう。

ポスターの役割を考える

先ほどの5W1Hで集めた文字情報を使い、必要な人に必要な情報が届くようにします。意外と忘れがちですが、「ポスターを誰が見るのか」を常に念頭に置いて作る必要があります。

(出典:kanagaku | Pinterest)

例えば、こちらのポスターは桐朋学園の文化祭のうち、ホールでの企画だけをアピールするものです。そのため、文化祭全体のポスターとは違って演目や演者が大切な情報になってきます。

ほとんどの文化祭ポスターの場合、まず最初に伝えたいことは「文化祭を開く」ということです。どの学校の文化祭で、いつどこでやるのかは基本情報として忘れずに入れましょう。

また、ポスターがどこに掲示されるかも大切なポイントです。校内なのか、校外なのか。校内であれば、生徒向けの周知なのか、学校への来客向けなのか。校外であれば、学校周辺に貼るのか、少し遠いところにも貼るのかなどです。

シチュエーションによって伝えるべき情報は変わる

それぞれのシチュエーションで、伝えたい情報が変わってきます。「このポスターを誰が目にするのか」が大切なのはそのためです。学校の近所で、誰もが学校のことを知っているようなエリアであれば、学校の住所は簡略に表記できます。しかし、学校から数駅離れたようなところにも掲示するのであれば、市町村からの詳細な住所に加えて周辺地図なども必要になってくるかもしれません。

また、学校の文化祭は部外者の入場について料金や時間帯などに規定を設けているところも少なくありません。来場者が混乱しないよう、そのような条件がある場合はポスターに明示しておきましょう。

学校の生徒向けに、文化祭に向けてやる気を盛り上げる目的で作るポスターもあるかもしれません。そういうときは、文化祭の文字と開催日時以外の情報を思い切って省くことも可能です。その代わりにスローガンやテーマなどを掲出すれば、雰囲気が盛り上がるかもしれません。

情報には強弱が必要

デザインでは、大切なことは大きく、さほど大事でないことは小さく配置します。この強弱があることによって全体の見やすさが変わります。文字情報であれば、大切な情報は大きめのフォント、注意書きなどは小さなフォントで書きます。

逆に全ての文字が大きなフォントになっていると、読みづらく、かつ版面に収まりきらないポスターになってしまいます。小さすぎるフォントでも文化祭であるということが伝わらないかもしれません。

(出典:kanagaku | Pinterest)

どのような情報がより大切なのかは、誰向けにポスターを作るのかによっても異なります。仮に来場者向けであった場合は、来場者が一番知りたい情報(日時や会場)は大きく表示する必要があります。一方、スローガンや何回目かなど、当日来場してから知るのでも十分な情報は小さくて十分でしょう。このバランスを意識してデザインしてください。

配色・書体も大切

一般的に寒色は涼しい、クール、寒い、冷静といった印象を与え、暖色は暖か、優しい、楽しい、明るいといった印象を与えると言われています。このように、色選びも大切なポイントです。

すでにメインビジュアルが決まっている場合は、そのビジュアルの色合いに合わせてデザインをすることもできます。同系色でまとめればスタイリッシュな印象になりますし、あえて補色など対照的な色を合わせて目立たせることもできます。

(出典:kanagaku | Pinterest)

こちらのポスターは黄色のフォントが印象的ですが、帆船の舳先にも同じ色が使われているため突飛な印象がなくなじんでいます。

また、文字情報の書体も大切です。一般的に明朝体は公式、ゴシック体はよりカジュアルな印象を与えると言われています。文化祭ポスターの場合は手書きで文字を入れることも多いでしょう。どのような書体を参考にするのかは事前に考えておきたいところです。これもアプリなどで加工して見ると、だいたいの印象がつかめるはずです。

大切なところは図式化する

文字情報ばかりだと見逃しがちな大切な情報は図式化することで目立たせることができます。簡単な図式化は、文字情報の背景に吹き出しなどを載せることが分かりやすい例でしょう。開催日時などに使うと効果的です。

また、住所を地図にするのも図式化の一つです。現代ではアプリの地図を見ながら来場する人も多いので、地図をQRコードにして図式化することで目立たせるという方法もあります。

(出典:kanagaku | Pinterest)

先ほども見たポスターですが、QRコードの部分を白背景にして目立たせていることが分かります。