共済とは営利目的ではなく、組合員がみんなで掛け金を出し合って助け合い、組合員の文化的・経済的な生活の改善と向上を目的とした保障事業制度です。日本には都道府県民共済、CO・OP共済、JA共済、こくみん共済coop(全労済)の4大共済が全国規模で展開しています。それぞれの共済で用意しているこども共済の特徴をご紹介します。
もくじ
都道府県民共済
【根拠法令】消費生活協同組合法
【監督官庁】厚生労働省
【運営組織】各都道府県の全国生活協同組合連合会
組合員の対象
居住地か勤務先のある各都道府県の承認を受けた人が組合員になることができます。組合員になるためには、出資金の払い込みが必要です。
転居や職場の移動をした場合は、加入し直す「移管手続き」をとれば共済を引き継ぐことができます。ただし、県民共済事業を行っていない5県に転居や移動をした場合は共済が失われる可能性があるので注意が必要です。
次の表は都道府県民共済のある県とない県、そして都道府県ごとの共済の名称の違いをまとめたものです。例えば、県民共済事業を開始していない福井県などでは地域に根ざした「福井県地域共済生活協同組合」などがあります。また、神奈川県には都道府県民共済グループの「全国共済」とは別に「神奈川県民共済生活協同組合(かながわ県民共済)」があります。ご加入の際は、混同しないように気をつけましょう。
【都道府県民共済の有無と名称】
都民共済 | 東京都 |
府民共済 | 大阪府・京都府 |
道民共済 | 北海道 |
全国共済 | 神奈川県
参考 |
県民共済 | ほか
(近年県民共済事業を開始した県) 山梨県:2019年1月15日事業開始 愛媛県:2019年4月1日事業開始 佐賀県:2019年7月1日事業開始 |
県民共済のない県 | 福井県、鳥取県、徳島県、高知県、沖縄県 |
(県民共済・都民共済・府民共済・道民共済・全国共済|都道府県民共済グループより筆者作成)
こども共済の保障の特徴
具体的にこども共済の共済掛金(保険でいうところの保険料)と対象年齢を見てみましょう。ここでは神奈川県の県民共済事業である「全国共済」を例に挙げて表にまとめました。
【こども型】
月額共済掛金 | こども1型:1,000円
こども2型:2,000円 |
年齢の範囲 | 0~満17歳(18歳に達した年度の3月31日) |
(こども型 保障表|都道府県民共済グループより筆者作成)
詳細は、お住まいまたは働いている都道府県民共済のサイトをご確認いただくか、受付窓口へお問い合わせください。
参考
ご加入を検討している方へ|都道府県民共済グループ 全国生協連
都道府県民共済 特徴1:契約時の年齢に関係なく掛金が一律
充実した保障を組合員の誰もが無理なく備えられるように、契約時の年齢に関係なく基本の月額掛金が一定で安いのが大きな特徴です。
都道府県民共済は営利を目的としていないため、前年度の運営実績次第で余剰金を組合員に戻す「割戻金」の制度があります。そのため、実質的な掛金の負担がさらに軽くなります。割戻金は毎年変動がありますが、各都道府県によっては割戻金の水準が高い場合があり、ほかの共済よりも実質掛金が安くなることも見込まれます。
都道府県民共済 特徴2:手術や先進医療の保障あり
都道府県民共済は掛金は安いですが、いざという時は入院の有無に関わらず、手術や健康保険適用外の先進医療を受けられる場合があります。
都道府県民共済 特徴3:組合員サービスが充実
都道府県民共済は組合員以外も参加できる大規模なイベントの開催や、組合員によりよいサービスを用意しています。
都道府県ごとに組合員サービスは異なるので、お住まいまたは働いている都道府県民共済のサイトをご確認ください。下記では神奈川県の組合員サービスと北海道の組合員サービスを参考でご紹介しています。
参考
こういう方には都道府県民共済がおすすめ!
各都道府県によって共済で保障される内容は異なりますが、4大共済の中でも特に次の条件の方には都道府県民共済の加入がおすすめです。
- 子供の死亡・重度障害の保障を充実させたい方
- 割戻金水準の高い都道府県にお住まい、または働いている方
- 組合員サービスを使って旅行や買い物をしたい方
保障内容をよくご確認の上、ご検討ください。
参考
県民共済・都民共済・府民共済・道民共済・全国共済|都道府県民共済グループ