オイリュトミーとリトミックとの違い
オイリュトミーの概要を理解したところで、よく混同されるリトミックとの違いを確認していきましょう。そもそもリトミックとは、スイスの作曲家で音楽教育家であったエミール・ジャック=ダルクローズ博士が創案した音楽教育法です。リトミック研究センターは、リトミックを下記のように表現しています。
リトミックは、楽しく音楽と触れ合いながら、基本的な音楽能力を伸ばすとともに、身体的、感覚的、知的にも、これから受けるあらゆる教育を充分に吸収し、それらを足がかりに大きく育つために、子どもたちが個々に持っている「潜在的な基礎能力」の発達を促す教育です。
(引用元:リトミックとは|特定非営利活動法人リトミック研究センター)
リトミックは、音楽を起点にしていることがよく分かります。それは、創案者のエミール・ジャック=ダルクローズ博士が、音楽を手段にして、知的能力と肉体的能力の調和を図ると言っていることからも分かります。
それに対してオイリュトミーは、言葉や音楽を芸術的に体で表現します。言葉の力を表現しようとしている点で、リトミックとオイリュトミーは大きく異なります。また、オイリュトミーは治療や社会でも使われています。これは、オイリュトミーが呼吸を大切に考えており、子供だけでなく大人の生命力を強める効果もあります。
シュタイナー教育でのオイリュトミーとフォルメンの位置づけ
ルドルフ・シュタイナーは、芸術性を重要だと考えていました。世界中のシュタイナー学校でオイリュトミーとフォルメンは、芸術性を高める活動して必修科目になっています。
オイリュトミーは運動芸術と言われる活動です。フォルメンは、線を描くことでものの形を理解しようとする芸術教育です。直線や曲線、方形、渦巻、鋭角、鈍角あどの線を黒以外の色を使って描くことで連続性やリズム、調和を図ります。また、図形に触れることで図画工作的な描く要素だけではなく幾何学模様を考えたりする算数的な要素や、文字の前段階とする国語的な要素も含まれています。
そして、オイリュトミーとフォルメンの活動には関連性があるとされており、オイリュトミーを通して手足を含む体で表現することを学んだ子供たちは、フォルメンでも体験から学ぶようになると言われています。
まとめ
オイリュトミーは、音楽や言葉に宿る力を身体で表現する運動芸術です。手の動きや呼吸の仕方など、一般的なダンスなどの表現活動とは一線を画しています。また、オイリュトミーはシュタイナー学校独自の活動であり、シュタイナー教育の根幹をなす意志、感情、思考をつなぐのに欠かせないものです。シュタイナー学校を進学先に考えているようでしたら、ぜひ一度オイリュトミーを動画や生で見ることをおすすめします。
参考
オイリュトミー|東京賢治シュタイナー学校
シュタイナー学園|YouTube
Kindergarten Eurythmy|YouTube
オイリュトミーとは何だろう?体験してみて感じたこと|こいくラボ
オイリュトミーは何?どんな効果をもたらすの?興味のあるママ必見!|子育て支援ブログ~ぱんだママの部屋~
オイリュトミーにはどんな意味があるの?|私を知る/シュタイナー思想から教育へ
シュタイナー教育の真骨頂「オイリュトミー」の魅力を解明せよ|子育て支援ブログ~ぱんだママの部屋~
フォルメン線描 | シュタイナー教育ドタバタライブ報告
オイリュトミー|ほりクリニック
Eurythmy – 2010 Year12 Tokyo Kenji-no Gakko Freie Waldorfschule オイリュトミー公演|YouTube