相対音感とは
絶対音感とは別に、「相対音感」もあります。絶対音感は単独の音を聞いて音名を判断しますが、相対音感はある音を基準として音の高さを判断します。たとえば音の基準を「ミ」とすると、「ミ」と比べて次の音が高いか低いかを判別するのです。相対音感は、大人になっても身に付けることができます。
先ほどの新潟大学の報告「日本の音楽学生は絶対音感が優れているが相対音感が弱いことが国際比較から明らかに〜日本の音楽教育の見直しを示唆する結果〜」によると、日本の音大生で相対音感を持っている人は1割ほどで、中国は4分の1、ポーランドはおよそ7割。他国に比べ日本の学生は低いことが分かります。
「絶対音感」と「相対音感」は両方持っている人もいれば、片方の「音感」を持っている人、どちらも持っていない人もいます。
音感を持つことのメリット
絶対音感や相対音感を持つメリットを確かめてみましょう。
音感があれば、楽器の習得に役立ちます。絶対音感を持っていれば、楽譜だけでなく耳からも音を理解できるので、より音楽への理解度が増すでしょう。特にピアノのような鍵盤楽器に有利といわれています。相対音感の場合、声楽や弦楽器の習得に役立ちます。
また、脳科学の観点から見ても、絶対音感を持つ子は、持っていない子に比べてIQが10ポイント以上高いといわれています。絶対音感を持っていると、次のような効果もあります。
絶対音感を持っている人は左脳と右脳の互換性が良く脳全体をバランスよく使えるようになると言われています。
また、絶対音感レッスンで聴覚を刺激することによって脳内で繋がっている嗅覚、味覚、触覚、視覚という五感すべてが研ぎすまされ、更に才能の呼び水となります。
(引用元:絶対音感と脳科学|絶対音感コーチ学会)
聴覚は、五感の中でも最も早く発達します。妊娠6ヶ月になるとママの心音や血流が聞こえ、妊娠8ヶ月になると外の音も聞こえるように。生まれてすぐはぼんやりとしか目が見えないことを考えると、聴覚の発達の速さが分かります。聴覚を鍛えることで音楽だけでなく、脳全体の働きが良くなり、五感も鍛えられるのです。