地方教育行政の組織及び運営に関する法律の内容と最近の改正を解説

「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」という長い名称の法律があるのをご存じでしょうか。名称だけでは、どんな内容なのか分かりそうでよく分からないと感じるかもしれません。どんな法律で、子供の教育にどう関わっているのか解説します。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律

まずは法律の趣旨と概要を解説します。名称の通り、地方自治体で行われる教育行政について定めた法律です。

地方自治体が行う教育行政を定めた法律

この法律は、教育委員会の設置、学校その他の教育機関の職員の身分取扱その他地方公共団体における教育行政の組織及び運営の基本を定めることを目的とする。

(引用元:地方教育行政の組織及び運営に関する法律 | 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ 第1条)

第1条を読むと、この法律の概要が分かります。大別すると以下の3つになります。

  • 教育委員会の設置について
  • 学校その他の教育機関の職員について
  • その他地方公共団体における教育行政の組織及び運営の基本について

地方自治体が進める教育行政には、教育委員会や公立学校の運営が含まれます。それらを中心に、具体的な教育行政の進め方について定めたのがこの法律です。

教育委員会法を実質的に後継する法律

地方教育行政の組織及び運営に関する法律は1956年に施行されました。それまで地方教育行政について定めていた「教育委員会法」の後を実質的に継いだ法律でした。

教育委員会法では教育委員は公選制となっていました。地方教育行政の組織及び運営に関する法律では自治体の首長が任命すると変更されています。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律の内容

地方教育行政と教育委員会というと、身近なようでいてあまり接点がないように感じられます。しかし、子供のいる家庭では公立学校は非常に身近な存在です。どのようなことが具体的に定められているのか、ポイントごとに見ていきましょう。

教育委員会について

4 教育長及び委員の任命については、そのうち委員の定数に一を加えた数の二分の一以上の者が同一の政党に所属することとなつてはならない。

5 地方公共団体の長は、第二項の規定による委員の任命に当たつては、委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに、委員のうちに保護者(親権を行う者及び未成年後見人をいう。第四十七条の六第二項第二号及び第五項において同じ。)である者が含まれるようにしなければならない。

(引用元:地方教育行政の組織及び運営に関する法律 | 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ 第4条)

都道府県、市町村は教育委員会を設置しなくてはいけません。教育委員会を設置し、教育委員を選ぶにはいくつかの規定が設けられています。

政令市や町村を除けば教育委員は教育長を含めて5人ですが、そのうちの2分の1以上が同一政党に所属していることは認められません。また、年齢・性別・職業に偏りがあってはいけない、委員の中には保護者がいなければいけないなど、教育への公平性を保つための配慮が盛り込まれています。

委員の任命のほか、職務や任期、懲戒請求・罷免・失職、事務局などの実務的なことについても定められています。

教育機関について

地方公共団体は、法律で定めるところにより、学校、図書館、博物館、公民館その他の教育機関を設置するほか、条例で、教育に関する専門的、技術的事項の研究又は教育関係職員の研修、保健若しくは福利厚生に関する施設その他の必要な教育機関を設置することができる。

(引用元:地方教育行政の組織及び運営に関する法律 | 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ 第30条)

地方公共団体(地方自治体)が設置できる教育機関についても定められています。学校だけでなく、図書館・博物館・公民館なども広義の教育機関とみなされます。