大学で行われる「リメディアル教育」が一部で注目を浴びています。「学び直し」というと、うっすらとニュアンスがつかめる人もいるかもしれません。大学全入時代とも言われる現代ですが、大学に入っただけで万全な教育が受けられるわけではありません。学生を手厚くサポートするリメディアル教育について解説します。
もくじ
リメディアル教育とは?
リメディアル教育という言葉を知らない人も多いのではないでしょうか。まずは「リメディアル」という言葉の意味から解説していきます。
大学生のための「学び直し」教育
リメディアルは、英語で「remedial」と表記します。「治療のための・救済的な・矯正的な」といった意味で、日本では主に大学生向けに行われる「学び直し」の取り組みのことを指します。
なお、「日本リメディアル教育学会」の英語名は「The Japan Association for Developmental Education」です。これから分かるように、英語圏では「remedial education」よりも「developmental education(能力開発教育)」という言い方が一般的のようです。
参考
remedial とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書
JADE 日本リメディアル教育学会 The Japan Association for Developmental Education
主に基礎学力が不足している学生が対象
近年,18歳人口の減少,大学入試の多様化などにより大学入学者選抜競争が緩和され,文系,理系をとわず大学生の基礎学力の低下が問題になっています。 その結果,大学の授業の理解が十分でない学生が多数在籍する大学が増加しています。
また,新入生の基礎学力の状況を見ると,最近は同じ大学・学部・学科に入学する学生の間でもかなりの学力の差が生じているのが現状です。
大学での教育を成立させるためには,新入生に対する客観的な基礎学力の測定,そして学力が一定の水準に達しない場合のリメディアル教育が必要です。
(引用元:設立要旨 学会案内 | JADE 日本リメディアル教育学会 The Japan Association for Developmental Education)
リメディアル教育の認知度が上がってきた理由の一つには、大学入学者の学力低下があります。高校、もしくは場合によっては義務教育段階の勉強をもう一度やり直すことにより、大学の授業で脱落者を出さないための対策が求められています。