学校教育法に定められている内容とは。学校の種類、一条校とは何? - cocoiro(ココイロ) - Page 2

学校教育法が定める学校とは

続いては学校教育法の中に定められている学校の種類を見ていきましょう。一条校・非一条校の順にご紹介します。

一条校

幼稚園

1条校の1つ目は幼稚園です。就学前の教育のうち、学校教育法に定めがあるのは幼稚園のみです。日本では保護者が働いていて日中子供の面倒を見ることができない場合は保育園、そうでない場合は幼稚園に通わせるという家庭が一般的です。そのため、保育園と幼稚園は似たようなもので預かり時間が違うだけ、と思われることもあるかもしれません。

しかし、根拠法から見ていくと、保育園は児童福祉法に基づく「福祉施設」となります。法律的には「保育所」と呼ばれるものです。保護者の代わりに保育をすることに重点が置かれた施設で、教育的役割は二次的なものになります。

一方、幼稚園は学校教育法に基づく「学校」となります。そのため、幼稚園では学習指導要領の幼稚園版といえる「幼稚園教育要領」に基づいたカリキュラムが作られ、それに沿って教育が行われます。

参考

幼稚園教育要領 | 文部科学省

小学校

続いては初等教育を行う小学校です。小学校の目的は義務教育であり、目的遂行のための修業年限、教科書、教員の配置などが定められています。

中学校

中学校も小学校と同様、義務教育を行うための学校として機能が定められています。

義務教育学校

小学校・中学校を設置することは自治体の義務となっていますが、必要に応じて小中学校のかわりに義務教育学校を設置することができます。義務教育学校は2016年から始まった新しい学校の形態で、小中一貫教育を行います。

高等学校

義務教育を修了した子供が進学できる高校は、全日制・定時制・通信制の3種類が認められています。また、一部の専門科に設置されている「専攻科」についても学校教育法の中で定められています。

参考

高等学校等の専攻科の課程を修了した者の大学への編入学| 文部科学省

中等教育学校

中等教育学校は中高一貫の学校です。一部の私立学校では中高一貫教育が古くから行われていましたが、以前は中学校・高校をそれぞれ別に設置する必要がありました。1998年から始まった中共教育学校は、1つの学校の中に中学と高校の機能をそれぞれ持たせることが認められています。

特別支援学校

以前は盲学校・聾学校・養護学校としてそれぞれ別に定められていましたが、現在では特別支援学校として1つの学校種にまとめられています。なお、実際の運用では特別支援学校を名乗らず、現在も盲学校・聾学校・養護学校として設置している自治体も少なくありません。

大学

大学の修業年限は一般に4年間ですが、医学や薬学など1部の専門科は6年となっています。また、短期大学の場合は通常2年間です。このような修業年限や大学院の設置、卒業時の学位について定められています。

高等専門学校

通称高専と呼ばれる高等専門学校は、中等教育後半(高校に該当)と高等教育を一貫で行う学校です。修業年限は通常5年間(商船は5年6ヶ月)となっています。卒業時には「準学士」の学位を授与されます。高専は専門知識のある即戦力人材を養成する目的が強い学校ですが、卒業後大学に編入する学生も少なからずいます。

参考

大学への編入学について | 文部科学省