モンテッソーリ教育のデメリットとは?よくある批判と勘違いを解説 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

親が感じるモンテッソーリ教育の心配な点

モンテッソーリ教育は、医学博士であるマリア・モンテッソーリが考案したもので、子供は自己教育力を持っており、それを引き出すために環境を整備することに重きを置いた教育です。アメリカやヨーロッパでは、モンテッソーリ教育は、幼児教育だけでなく小学校、中学校、高校の各段階で進められています。しかし、日本では学習指導要領に基づいて教育を行うことが大前提であるため、幼児教育でしか認知されていません。そうなると、心配な点が出てくるのも事実です。モンテッソーリ教育の批判として挙げられることもある3つの心配な点を確認していきましょう。

協調性が育たない?

モンテッソーリ教育の一つの特徴として、自主的に学習するワークの時間があります。基本的には、自主的に自分のやりたいと思ったことを学習していくスタイルです。そのため、必然的に個人での活動が多く、周りの子と協働する場面が少なくなり、協調性が育たないのではないかと心配する声があります。

協調性は、関わり合うことで育まれていくのは間違いないでしょう。ただ、協調性を育むには、自分の自由が保障されていることや自分の意見を持っていることも大切な要素。自分の自由が保障されているということは、相手の自由も保障しないといけないことにつながります。そう考えると、モンテッソーリ教育を受けた子供が協調性がないと一概に言うことはできないはずです。

また、個人での活動以外に、グループでワークをしたり、教師がレッスンを行ったりする時間もあります。

座って静かにする活動が多いので活発な子には物足りない?

モンテッソーリ教育では、座って落ち着いた環境の中で活動することが多いです。また、学校施設も日本の公立小学校のように大きな校庭や体育館など、思いきり走り回れる施設を設けているわけでもありません。

しかし、モンテッソーリ教育の中にも、体を積極的に動かす活動は含まれています。例えば、オイリュトミーという活動がその一つです。オイリュトミーは、音楽を使って踊りをする活動で、協調性や芸術性、正しい姿勢などが身につくとされています。

もし、子供が体を思いっきり動かすことが大好きなようであれば、幼稚園が終わった後にスポーツ系のクラブに通ってみたり、友達同士公園で遊んだりするのもいいかもしれません。

小学校に入学したときに周りに順応できるか?

先ほども触れたとおり、日本ではモンテッソーリ教育を進める小学校は多くありません。そのため、日本国内で進学するのであれば、モンテッソーリ教育に取り組んでいない小学校に進学するケースが多いでしょう。

日本の一般的な公立小学校では、まず初めに入学式があり、学校での一日の生活を学び、国語や算数など一斉授業がメインになります。給食も同じ時間に同じ物を食べますし、休み時間も決まっています。

ただ、公立の小学校でも、自分で考え行動することや自立することは教育の大きな目的です。つまり、モンテッソーリ教育で身に付けた力と公立の小学校が目指している力は相反するものではありません。また、社会性や協調性も学校の集団生活で少しずつ付けていくものなので、いきなり社会性や協調性がある必要はありません。子供には個性があり、すぐになじむ子供もいますし、時間がかかる子供もいます。大切なのは、担任の先生や友達といい関係を築いていつでも相談できる環境を作ることです。

参考

モンテッソーリ教育への3大批判&デメリットについてお答えします!|ハピママ

モンテッソーリ教育に関する7つのデメリットや勘違い|チャイビ

Montessori Preschool Elevates and Equalizes Child Outcomes: A Longitudinal Study|frontiers

モンテッソーリを受けた子達が、他の子より秀でることと秀でないこと|Funny Yummy Days

モンテッソーリ教育のいいところ・悪いところ|読売新聞オンライン