子供のことを最大限に信じる、ニキーチン教育とは?

子供のことを最大限に信じる、ニキーチン教育とは?

ニキーチン教育という教育方法について、耳にしたことはあるでしょうか。シュタイナー教育、モンテッソーリ教育など、さまざまな教育方法がありますが、お子様に受けさせたい教育を考えるときにニキーチン教育も、選択肢に入れてみてはいかがでしょう。
そんな魅力あふれるニキーチン教育について詳しくご説明いたします。

ニキーチン教育の特徴

「ニキーチン教育を提唱している人はどんな人?」「いつから始めればいいの?」など、ニキーチン教育について、知りたいことがたくさんあるかもしれません。
あまり聞きなれないニキーチン教育の特徴をさっそく見てみましょう。

ニキーチン夫妻とは

ニキーチン教育の提唱者は、ペレストロイカ以前のソ連時代、モスクワの校外に暮らしながら、7人の子供達を保育園に通わせることなく、自分達の手で育て上げたニキーチン夫妻です。
「子供達はわたしたち大人が考える以上にさまざまな力を持っている」という考えのもと、知育遊びや身体鍛錬に特徴のある独自の教育方法を開発しました。
なかでも「創造力」(=自分で考え、問題を解決する能力)を重視し、創造力を育むための知的能力を幼少時に発達させることを実践してきました。

ニキーチン教育が考える早期教育

ニキーチンは、「子供の脳の構造は7歳頃までに約90%が完成される」と考えていました。
その考えのもとに、就学前の子供達に以下のような課題を設定しました。
(1)早くから始める
(2)環境を整える
(3)(子供の力を)出し切る
(4)自由を与える
(5)手助けをする

これらの実践手法として生まれたのが、後に詳しく述べるニキーチンの積み木教育です。

賛否両論のニキーチン教育

「真冬の氷点下の外へ赤ちゃんを裸のまま連れ出す」、「雪の上をはだしで歩かせる」などの
ニキーチン夫妻独特の教育方法には、「子供がかわいそう」「子供を利用している」という声も多く上がり、当時は賛否両論ありました。
しかし、7人の子供達が学業にも運動神経にも優れているという実績が出ると、多くの人々がニキーチン夫妻のもとに教育方法を学ぶために訪れるようになり、注目を浴びることになりました。

ニキーチン教育の理念

ニキーチン教育の理念とはいったいどのようなものなのでしょう?
ニキーチン教育の神髄を少し詳しくみていきましょう。

子供の力を信じる

たとえば、「走っちゃダメ。転びますよ」「寒いのに外に出ちゃダメ。風邪をひきますよ。」
というように、親の恐怖や不安から子供によかれとこのような発言をしてしまいがちです。
しかし、妻のレーナさんは「このような発言は子供に『〇〇しないと~になる』というネガティブな暗示をかけることになり、実際にその通りになってしまうようになる」と言います。
そうなるとさらに過保護にならざるを得ず、悪循環となってしまいます。
このように、「少々のことでは変わらない。大丈夫。子供は健康である」と信じることが病気を防ぐ上で大切だとニキーチン教育では唱えています。

危険を体験させる

子供たちの周囲には、「火」「はさみ」など、興味深くて危険なものがいっぱいです。
しかし、いつも大人が目を光らせて危険な目に遭わないようにコントロールすることは不可能に近いでしょう。
そこで、ニキーチン夫妻は「いかに危険から自分たちの身を守るか」ということを体験を通して、子供達自身に学ばせました。
マッチやはさみ、ピンなども子供の手に届かないところに置いて隠すなどせずに、身近に置くことでどのように使ったら、どれくらい痛い目に遭うのかを体験させました。
「痛みを感じる程度に、でも危険のないように」目配りしながら危険な物と実際に向き合う体験を通じ、子供達自身に「どこまでなら大丈夫」なのかを体得させたのです。

親も子供と一緒に遊ぶ

ニキーチン夫妻は「市販のおもちゃにも知育を伸ばす物はたくさんあるけれど、与えてしまったらそれっきりで親は子供の遊びに無関心になる」ということを問題視していました。
そこで、自分達で子供達と遊ぶなかで「こうやって遊んだらおもしろい」「こうやって遊べたらもっと役に立つ」と次から次へと知育遊びを編み出しました。
子供と一緒になって喜び、感じ、まじめに遊ぶ中から少しずつ生まれ育ってきたのが、ニキーチン教育を代表する「積木遊び」なのです。

自分たちの子育てを一貫して行う

過保護を嫌い、危険を厭わないニキーチンの教育方法に対し、前述したように批判的な声も多く上がりました。
しかし、ニキーチン夫妻は周囲の批判的な声に負けて自分たちの子育ての方針を曲げることはありませんでした。
社会通念や社会的偏見に臆せず、自分たちの道を突き進んだのです。
そして、「もしも各々が自分ばかりを主張し、無神経なものの言い方ばかりしていたら、温かい雰囲気などどうしてできましょうか?」と述べています。
子育てには「自らを信じる強い信念」と「周囲への思いやり」の両方を併せ持つことの大切さが伝わってきます。

家庭でできるニキーチン教育

「ニキーチン教育の魅力は十分分かったけれど、家でもできることってあるのかしら?」……。
ここでは、家庭でもすぐ取り入れられるニキーチン教育の方法をご紹介します。

家でも遊べる場所を作る

子供の運動能力を高めるためには、何も運動教室に通わせなくても、家の中にスポーツ用品があり、いつでも手に取れるようにしておきましょう。
そして、ちょっとした運動ができる環境を整えておくことです。
たとえば、畳の部屋があって側転や前転ができるようになっていたり、ぶらさがってつかまれる部分が部屋にあって、懸垂ができるようになっていたりするレベルでOKです。
普段の生活の中で体を使って遊べる場所を整えておきましょう。

自主性を尊重して自由に遊ばせる

運動でも勉強でも、子供を教え込もうとしないことが大切です。
親は前述のように環境だけを整え、後は子供の自主性に任せることが大切です。
親が口出しをしなければ、子供達は自由な発想でどんどん自ら楽しい遊びを生み出すものです。

子供の遊びに感心を持つ

どのように遊ぶかについては子供の自主性に任せますが、かといって子供を放置しておくわけではありません。
子供がどのように遊んでいるかということに興味を示し、遊び方に即ダメ出しするのでなく一緒に遊んでみましょう。
そして一緒に遊ぶ中で、よりよく楽しむためにどうすればいいかを一緒に創造していきましょう。

自分を信じて、子供の力も信じてみよう!

一見過激に思えるような教育実践方法もありましたが、
「自分を信じ、同じように子供のことも信じる」という人間愛あふれる教育方法が
ニキーチン教育の醍醐味といえるのではないでしょうか?

ニキーチン教育についてまとめると以下のようになります。
・ニキーチン夫妻によって開発されたニキーチン教育では、「子供の脳の構造は7歳頃までに90%が作られる」という
考えの元、早期教育が提唱された。
・ニキーチン教育の理念は、「子供の力を信じる」「危険を体験させる」「親も子供と一緒に遊ぶ」
「自分たちの子育てを一貫して行う」こと。
・家庭でもできるニキーチン教育は、「家でも遊べる場所を作る」「自主性を尊重して自由に遊ばせる」
「子供の遊びに感心を持つ」こと。

「自分と同じように子供を信じて尊重する」ニキーチン教育。
その考え方や方法を少しでも取り入れてみて、愛あふれる子育てに役立てましょう。

この記事をかいた人

cocoiro編集部

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