環境問題の現状は?
これまで、環境教育についてお伝えしましたが、実際の環境問題はどうなのでしょうか? ここでは、環境問題の現状についてご紹介します。
大気
二酸化炭素、メタン、フロン類などの温室効果ガスにより、地球温暖化が問題となっています。また、フロンなどの化学物質によりオゾン層が破壊されたり、自動車の利用などによって生じる硫黄酸化物や窒素酸化物が酸性雨の原因となったりしています。これらは生態系だけではなく、農業や健康など人類の生活環境や生物の生息環境に深刻な影響を与える恐れがあるようです。
参考
1-3 温暖化の原因は?|JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター
水や土壌
工場や家庭からの排水、大型タンカーの事故などによる大量の油の流出などにより、河川や海が汚染されていると言われています。国内の河川を経由したり、諸外国から海岸に漂着したりしたごみも問題となっています。土壌においては、工場からの有害物質を含む原材料などの漏えいがなどが汚染の原因となっています。
自然環境
森林火災や不適切な商業・違法伐採で熱帯林が減少しています。生物の多様性も失われつつあり、生態系のバランスの崩れが懸念されています。
物質循環
大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済活動やライフスタイルが災いし、資源やエネルギー資源などを大量に消費しています。また、自然の自浄作用を上回る廃棄物を排出することによって、大気、水、土壌などへ大きな環境負荷をかけ、環境問題を引き起こしています。
学校での環境教育
学校での環境教育は1990年代に始まりました。総合的学習の時間をはじめ、社会科、理科、家庭科などの教科で取り組みが進んでいます。
4つの分野
学校では、環境教育を4つの分野に分類して学習しています。それでは、1つずつ見ていきましょう。
①自然・生命(自然調和型社会)
「自然・生命」の分野では、生態系の仕組みや人間と自然界の関わり、自他の生命の尊重を知り、環境保全のために日常生活でできることを考え、実践することを学びます。
②エネルギー・地球温暖化(低炭素社会)
「エネルギー・地球温暖化」の分野では、地球温暖化の仕組み、原因、影響、対策について学び、二酸化炭素排出量を抑えたり、エネルギーや資源を効率的に利用して地球温暖化を防ぐためにできることを考え、実践することを学びます。
③ごみ・資源(資源循環型社会)
「ごみ・資源」の分野では、地球上の資源には限りがあり、廃棄物の増加が環境の悪化につながっていることを学びます。さらに、廃棄物の発生を抑えたり、製品の再利用や資源の再生利用を意識した行動を身につけます。
④ともに生きる(共生社会)
「ともに生きる」の分野では、国や地域による文化や生活習慣の違い、それから人はそれぞれ個性があって1人ずつ異なるということを知り、多様性を尊重することを学びます。
学年に応じた学習
学校では、子供の発達の段階に応じて学習していきます。小学校低学年では、体験を通して感性を養うことをねらいとした内容になっています。学年が上がるにつれ、課題の発見や解決・対処法の模索、実践や行動を通して自ら考え、判断する力を身につけていくことをねらいとした内容へと変化していきます。