高等教育はそれぞれの設置基準などに基づく
高校以降の高等教育は、学校の種類によって教育課程の基準が定められています。ここでは専修学校と大学の例を見てみましょう。
専修学校設置基準
1つ目は専修学校です。専修学校には3つの種類があります。
課程の種類 | 入学資格 | 備考 |
一般課程 | なし | 大学予備校などが含まれる |
専門課程 | 高校卒業程度 | いわゆる「専門学校」 |
高等課程 | 中学卒業 | 修了すると高校卒業と同等とみなされる |
(専修学校とは? | 一般財団法人 職業教育・キャリア教育財団- より筆者作成)
大学予備校や入学資格のない専門学校が含まれる一般課程、高校卒業資格が必要な専門課程、修業年限が3年以上の高等課程です。これらの教育課程は「専修学校設置基準」に基づいて作られます。
どの課程も1つの専門に特化したものとなります。大枠の単位数などは専修学校設置基準に定められていますが、実際の授業編成は学校によってそれぞれ異なります。
また、「職業実践専門課程」というものを設けている専修学校もあります。これは高度な専門性を持つ人材を育成するための制度で、単位数などの基準を満たした学校が文科省の認可を受けて設置します。
参考
専修学校設置基準(昭和五十一年文部省令第二号) | 文部科学省
大学設置基準の大綱化
自主性を重んじるため大学によって教育課程が異なることも
大学は「大学設置基準」に基づき教育課程を編成します。しかしこの大学設置基準は規制緩和によって大綱化されているため、大学はかなりの裁量を持って教育課程を独自に作ることができます。
この違いは卒業のための単位数だけでなく、必修となる授業の違いにも影響しています。親世代の感覚では「大学1・2年は教養科目を履修するもの」という印象が強いですが、これも現在では大学によって大幅に異なるのが実情です。複数の大学の資料を見比べてみると多様性がよく分かります。
大綱化によって、大学が力を入れたい分野に授業時間を割くことが可能となりました。一方で安易な授業数の削減なども問題となってきています。
参考
Q1 大学のカリキュラムなどの教育内容はどのような考え方で決められるのですか。また、教育内容の改革として、具体的にどのような取組が進んでいるのですか。 | 文部科学省
【参考】我が国の大学における教養教育について | 文部科学省
これからも制度改革によって変化していく可能性大
「G型・L型」「文系不要論」など、大学の制度改革についてはニュースで話題になることもしばしばです。現在はこれからの社会に合わせた大学の形について模索する、制度改革の過渡期とも言えるタイミングです。大学の教育課程はこれからますます変化していく可能性が大きいと考えられます。
参考
まとめ
教育課程とは「どのような教育を進めていくか」をまとめる計画のことですが、現代社会では国の政策とも切り離せない存在となっています。学ぶことが子供たちの本当の糧となるよう、よりよい教育課程作りに向けて大人も関心を持っていたいものです。
参考
「教育課程特例校」とは、何ですか? | 南魚沼市ウェブサイト
大学設置基準を抜本改正し、”学修者本位”への発想転換を促す 大学改革を知る | Between情報サイト