教育課程とは?学習指導要領・大学設置基準に基づく日本の制度解説 ( 2 )

日本の教育課程はどう決まる?

それでは、日本の教育課程がどのように決められるのかについて具体的に見ていきましょう。まずは学習指導要領が設けられている小学校から高校です。

小学校〜高校は学習指導要領に基づく

小学校

主に学習指導要領で求められている基準をベースに、それぞれの学校が学校に合わせた授業を組み立てています。学校によって教育課程は少しずつ異なります。

教育課程を決める上で、長期休暇の日数や年間の授業時間などは重要な要素になってきます。長期休暇の日数は各教育委員会が決めますから、地域によって異なります。授業時間数はある程度、各学校の裁量に任されていますが、公立校であれば基本的には1日多くて6コマ、週5日という制約の中でやりくりしていることになります。

学校で学ぶことはだいたい毎年決まっているので、教育課程は細かく見直しをしながら毎年作られることになります。しかし、学習指導要領の改訂によって大きく変化することもあります。

最近の例で言えば、2015年に一部改正となった学習指導要領に基づき道徳が「特別の教科」となりました。また、2017・2018年改訂の学習指導要領に基づき「キャリア教育」が授業の中に組み込まれるなどしています。

全体で見ると、教育課程に含まれる内容は少しずつ増えているようです。小学校5年生の年間授業時間は、2015年には平均980コマ(1コマ45分、コマ=単位時間)でした。2017年の実績では平均1040.2コマまで増加しています。

参考

平成 30 年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査調査結果の概要について | 文部科学省,p1

中学校

中学校も小学校と同様の手順で教育課程が決められます。学習指導要領の改訂などに基づき、教育課程に組み込まれる内容は増加し、総授業時間は増える傾向にあるのも小学校と同様です。

高校

小・中学校と異なり、高校では普通科以外の専門科・総合科があったり、単位制を導入していたりと特色ある学校が増えてきます。それぞれの学校が学習指導要領に基づいて教育課程を作成しますが、学校によって内容は大きく異なってきます。

専門的な内容以外でも、進学を重視する高校であれば大学入試のための発展的な内容を扱う授業を取り入れたり、学力的なサポートが必要な生徒が多い学校であれば義務教育段階の内容を復習する授業をしたりと、特色が際立つような教育課程となっている学校が見受けられます。

参考

平成27年度公立高等学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果について | 文部科学省

教育課程特例校とは

学習指導要領に基づかない独自の教育課程が認められている「教育課程特例校」という学校もあります。具体的には以下のような学校があります。

  • 英語科以外の教科の英語による授業
  • 小学校に教科「農業科」の新設
  • 小学校・中学校・高等学校一貫教育

(引用元:「教育課程特例校」とは、何ですか? | 南魚沼市ウェブサイト

そのほかの授業時間が確保されていることなどの条件をクリアしている学校が、文科省に申請することで認められるというプログラムです。

また、それとは別に「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」といった名称を目にしたことはないでしょうか。これらは文科省が作った「研究開発学校制度」という枠組みに基づいて教育課程を編成している学校で、教育課程に関する実験校という位置付けになっています。

参考

教育課程特例校について | 文部科学省

研究開発学校って何? | 文部科学省