生涯学習の中核を担う社会教育とは?その歴史と取り組み例をご紹介! - cocoiro(ココイロ)

社会教育という言葉を耳にしたことはあるでしょうか? 最近、平均寿命が伸びていき、人生の時間が長くなったこともあり、生涯学習の重要性が説かれています。ただ、その中核を担っている社会教育に関しては、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで、今回の記事では、社会教育の定義や歴史と実際の取り組みの例をご紹介します。社会教育に対する理解を深めていきましょう。

社会教育とは?

日本では、都道府県や市町村などの自治体や図書館、博物館、公民館、大学などの公共機関が、社会の誰でも参加することができる学びの場を提供しています。ここでは、社会教育の定義と歴史、取り組みの例をご紹介します。

社会教育のあり方

教育基本法の第7条では、社会教育について下記のように記しています。

家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によつて奨励されなければならない。

2 国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館等の施設の設置、学校の施設の利用その他適当な方法によつて教育の目的の実現に努めなければならない。

(引用元:第7条(社会教育)|文部科学省

教育基本法によると、教育の目的は「人格の完成を目指す」こと、「平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期する」こととされています。これは、成人を含めたすべての年齢の人々に向けられており、社会教育にも適応される考え方です。

社会教育の歴史

日本の社会教育の始まりは、江戸時代の寺社を中心とした教育活動にまでさかのぼります。明治時代には、通俗教育として青年会や婦人会、労働組合など、相互教育の組織が作られました。そして、1920年になると各都道府県に社会教育主事が配置され、社会教育行政がスタートします。

戦後、1947年に教育基本法が制定され、その中で学校教育や社会教育の基本的な方針が示されるようになりした。1949年には、社会教育法が制定。戦時中に思想的な「教化的性格」を強めていた社会教育は、人々の自発的な学習活動を基盤にする本来のあり方に戻ります。

また、社会教育法の制定は、社会教育に対する国や公共団体のするべきことを明らかにする法的根拠となりました。社会教育法が制定された翌年に当たる1950年に図書館法、1951年に博物館法も制定されています。

近年では、ユネスコが提唱した「生涯学習」という言葉が一般的に認知されていますが、社会教育と生涯学習はイコールではないものの、同じような意味で使われることが多いです。

参考

社会教育関係法令の成立|文部科学省